師走の鉄板、鹿島沖のヒラメ

師走の鉄板、鹿島沖のヒラメ

秋から冬へと季節が移り変わる12月は新たな釣り場やターゲットが増えていきます。

朝晩は冷え込むので防寒対策を万全にして、師走の沖釣りを楽しみましょう!

釣り人の写真

鹿島沖のヒラメは今シーズンも期待大

茨城県鹿島港発→鹿島沖・トップは楽らく規定数到達・師走の鉄板、鹿島沖のヒラメ

茨城県南部海域のヒラメが11月1日に解禁した。

鹿島ではヒラメ船の看板を掲げる各船宿ともトップ10枚の規定数に迫る好スタートを切り、その後も好調に釣れている。

その好模様を見届けようと11月8日、鹿島港の大久丸を訪れた。
 
待合室に顔を出して大川久明船長に近況を伺うと、「ヒラメ漁では例年以上の水揚げがあったので、今年は魚影が濃いと思います。解禁直後は魚礁で4~6㎏級が釣れていたので、まずは型狙いで魚礁を狙い、後半は型は小さくなるけど数が釣れる根周りを探ろうと思っています」
 
当日の乗船者は10名、私は空いていた右舷ミヨシ2番に座り、準備が整ったところで5時ごろ出船。
 
1時間ほどで鹿島沖の水深45mに到着、仲乗りさんから全長15㎝前後のマイワシが配られて、「魚礁を狙います。オモリは80号です。根掛かりに気を付けてください」とのアナウンスでスタート。

魚礁の縁を横流しで探っていく。
 
横流しは風を船の舷側に受けて流す釣り方で、移動のたびに舷を変えて探るため、まんべんなく釣果が上がるのが特徴。

また道糸が船下に入り込む側からヒラメのいるポイントに入っていくのでこちら側からアタることがよくある。

当地ではこの横流しで狙うことが多い。

魚礁攻めで好発進

開始早々に道糸が船下に入り込む左舷でヒラメが食ってきた。

トモの小池さんが0.8㎏級を釣り上げ、間を置かずに胴の間の白柳宗之さんも同サイズを取り込む。

さらにその2人の間に座っていた白柳慶之さんが良型のソイを釣り上げた。 

白柳慶之さんに話をうかがうと、宗之さんとは兄弟で、兄である慶之さんは海外へ行っていたこともあり、ヒラメ釣りは10年ぶりとのこと。

ただ、エサ付けなどの所作はとても落ち着いていてブランクがあるとは思えず、ほどなくして見事1㎏級のヒラメを釣り上げた。

「久しぶりのヒラメは格別です。まだまだ釣りますよ!」と慶之さん。
 
次の流しは舷を入れ変え潮先となる右舷が盛り上がりをみせる。

ミヨシの横山さんが1㎏級、胴の間の粟飯原さんが1.5㎏級、トモの浦島さんが同サイズ、さらにトモの吉野さんは近年増えている60㎝級のオオニベをキャッチし、「スズキかと思いましたが違いましたね。初めて釣りましたよ」と驚いた様子でまじまじと魚を見ている。
 
その後も船内ではアタリが頻繁に訪れるものの1㎏前後が中心。

次第に良型への期待が高まる雰囲気の中、右胴の間の平塚さんが2㎏級を釣り上げると、その勢いは止まらずさらに2.7㎏を取り込んだ。

「オモリがトントンと底をたたくようにして待っていたら、いきなり竿先が海面に突っ込んだので良型かなと思いました。サイズアップできてよかったです」と平塚さん。

知っ得!横流しの釣り方のコツ

横流しでは、流し変えるとき舷を変えるので、道糸が払い出す側と船下に入り込む側が交互になる。

道糸が船下に入り込むとき道糸を出しすぎると反対舷とオマツリしやすいので、100号のオモリに替えて道糸を立て気味にするとオマツリを軽減できる。

道糸が払い出す側になったらオモリを80号に戻す。

釣行の写真

横流しで根周りを探るときは流し変えごとにオモリを交換するのも手

根周りでヒラメラッシュ

良型狙いの魚礁周りでサイズに恵まれず、数狙いで根周りへ移動、水深35mで再開となる。
 
するとさっそく小池さん、白柳宗之さん、浦島さんがほぼ同時に竿を曲げて、それぞれ1㎏前後のマハタを取り込んだ。
 
ヒラメが上がらないため灘寄りの水深30mへ移動。

ここではタナ取りで明暗が分かれることになる。
 
船長によると青物が回遊しているらしく、底からオモリを1m上げて待つ人には次つぎとイナダがヒット。

一方、底付近でアタリを待つ人には活性の高い小型のヒラメが食ってきた。
 
船上がにわかに活気づいたところで、撮影を終えた私も急いで仕掛けを投入。

沖揚がりまで1時間もない。
 
イワシを底スレスレに泳がせるイメージで、オモリを底から50㎝離して待つとすぐにアタリがきた。

強い引き込みを待ってから合わせるとハリ掛かり。
 
さすがに1投目から釣れるのはでき過ぎのような気もするが、今の釣れっぷりならあり得るかもと期待して巻き上げると良型のマトウダイ。
 
少しがっかりしたが気を取り直し、エサを付けて再投入。

すると今度はいきなりガガガッと食い込みを待つ間もなく竿先が海面へ向かって持っていかれたのでそのまま竿を立てる。
 
このパターンはもしや大きいのでは?と思ったが肝心の重さがあまり感じられない。

上がってきたのは根周りではアベレージサイズの0.7㎏のヒラメ。

とはいえまずは1枚釣れてひと安心だ。

さらに次の流しでもアタリがあったが、食い込みを待ちきれずバラシ。

残り時間が迫り焦ってしまった。
 
船中のあちこちで0.5~0.8㎏級のヒラメが釣れている中、11時半に沖揚がり。

釣果は0.3~2.7㎏を3~10枚と事前情報どおりの釣れっぷりだった。
 
本誌が発売となる12月1日は茨城県海域が全面解禁となり、さらに盛り上がることは間違いないだろう。
 
そして季節が進み、海水温が20度を切るとイワシの群れが回遊してきて、それを追う「渡り」と呼ばれる4~5㎏級のヒラメが釣れ始める。

常磐のヒラメ釣りからますます目が離せない!

久しぶりにヒラメ釣りを楽しんだ白柳慶之さん

当日のヒラメ仕掛け

仕掛けの図

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Tackle Guide

大久丸の船宿仕掛けの孫バリは、オマツリしたときに道糸を傷めないようにするためシングルフックとなっている。

ちなみに親バリはチヌ7号、孫バリはチヌ6号を使用している。

当日最大の2.7㎏を釣り上げた平塚さん

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隔週刊つり情報(2020年12月15日号)※無断複製・転載禁止



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