サヨリはウキ釣りする?投げ釣りする?釣り方のコツや生態、美味しい食べ方までご紹介します!
サヨリを釣ったことは有るでしょうか?
釣り人の中でもウナギやアナゴなど細くて長い魚は苦手だという人は多いのですが、同じように細長い体をしたサヨリを嫌いだという人は意外に少ないですよね。
今回は、そんな人気のお魚「サヨリ」について詳しくご紹介していきましょう!
サヨリ釣りをしよう!
サヨリは半透明の美しい体をした可憐な魚です。
細長い見た目をしていますが、蛇のように体をくねらせながら泳ぐウナギやアナゴとは違い、まっすぐ軽やかに泳ぐのが特徴です。
サヨリは意外に成長の早い魚です。
夏の間によく見かける幼魚は長さや太さがエンピツぐらいの大きさなので”エンピツサヨリ”と呼ばれていますが、これが秋口になるとグンと成長して20cmを超える大きさになり、群れになって水面を気持ちよく泳ぐ姿が目につくようになります。
ちょうどこの時期から釣りのシーズンが始まり、サヨリ好きの釣り人をサヨリストと呼ぶこともあるそうです。
サヨリの仲間と生態
サヨリは、ダツ目サヨリ科の魚ですが小魚を主食にする獰猛なフィッシュイーターのダツと違って、動物性プランクトンが主食の優しい魚です。
体が細長くて白銀色で、下アゴの先端がまるでルージュをひいたように朱色に染まるのが特徴です。
こんな体の特徴を捉えて漢字では細魚とか針魚と表記されますがクチナガ、クスビ、スズ、カンヌキなどの地方名があります。
中国では、姜(きょう)という人が長いくちばしを釣りバリに用いたという伝説にちなんで、姜公魚とも呼ばれています。
日本では琉球列島と小笠原諸島をのぞき、北海道南部以南の本州や四国、九州から朝鮮半島や黄海まで広く分布する魚で、幼魚は河口などの汽水域にもよく入りますが、純淡水に生息しているのはサヨリではなく、仲間のクルメサヨリです。
クルメサヨリはサヨリほど大きくならず成魚でもせいぜい20㎝程度の小型種です。
また、日本列島の南部から沖縄にかけては、体側の上方に3~9個の暗色斑を持つホシザヨリが生息しています。
ホシザヨリは沖縄でハイユとかハーイヨと呼ばれており冬の釣りものとして人気があり、サヨリよりさらに大型になり50㌢近いものも珍しくありません。
サヨリの特徴・見分け方 | 写真から探せる魚図鑑
サヨリの図鑑ページです。サヨリの特徴がわかりやすい写真を掲載!サヨリの特徴、生息場所や釣り方、サヨリの美味しい食べ方など、サヨリについて詳しく解説しています。
サヨリ | 写真から探せる魚図鑑サヨリのウキ釣りを楽しもう!
サヨリのウキ釣りは、小磯や波止、イカダなどから小さなシモリウキを3、4個つけた仕掛けでアミエビを撒きながら狙うのですが、きれいな海だと水面下で乱舞しながらエサを拾う、サヨリの姿を見ながら釣ることができます。
突き出た下アゴをわずか開き、水面近くを漂う動物性のプランクトンをすくうようにして食べる魚ですが、ウキが走るほど大きなアタリが出ても、口の周りが硬いためしっかり針が掛かっておらずバラすことが多いです。
何度もバラシが続くようならハリ先が鈍っていないか点検してみることをおすすめします。
マキエをして足元に寄せて釣るときはシモリ仕掛けで十分ですが、群れが近くに寄ってこないときは、飛ばしウキとマキエカゴが一体になった遠投仕掛けを使い、仕掛けを遠くに投げてゆっくりリールを巻きながら、ときどき誘いを入れながら釣る方法もあります。
サヨリは内湾の奥深くまで入り込んでくる魚なので、漁港の防波堤や沖にある一文字堤、港湾の護岸、釣り公園や河口などいろんな釣り場で釣りが楽しめる魚のひとつです。
釣りのシーズンも夏の終わりから初冬にかけてと比較的天候が安定した季節なので、釣りの初心者やファミリーフィッシングにも最適だといえるでしょう。
それではウキ釣りのタックルから紹介していきましょう。
サヨリ釣りの専用竿は市販されていないので、ウキ釣りのときはほとんどの人が渓流竿を流用して楽しんでいます。
渓流竿は、軟調だと30㎝を超える良型が掛かったとき魚に振り回されやすいので、軟調より腰がしっかりした中硬か硬調を選んでおきましょう。
護岸もさほど高くなく竿下に魚を寄せて釣ることが出来る場所では、4・5mの長さで十分だと思います。
護岸が高かったり、足元にテトラが入っているような場所では5・3mが使いやすいと思います。
サヨリは水面近くを泳ぐ魚なので、ウキ下は深くても1ヒロまでの設定で十分なので、固定ウキ仕掛けを使います。
ウキに出るアタリ楽しみながら釣りたいときは連玉仕掛けがお勧めです。
0・8~1号の道糸の先に大きさや色の違う中通しの玉ウキを一列に4つほどつけたものですが、この仕掛けの特徴は、ウキが沈むアタリだけでなく、左右に走ったり止まったり、たるませたりとアタリのパターンが多い分だけ楽しめるのです。
先頭のウキから40㎝ほど離して自動ハリス止めを結び、ハリス止めから0・8号のハリスを50㎝ほど取って3・5~4号のサヨリバリを結べば完成です。
この仕掛けだけでは軽すぎて風の強い日など振り込みにくいので、ハリスの上部にガン玉を打ち、それでもまだ振り込みにくいときには、シモリウキの上部にスーパーボウルを付ければ、強風でも振り込み可能です。
サヨリはマキエによってくる
マキエはアミエビを用意しておきます。
アミエビは解凍したものをそのまま撒いてもいいのですが、撒き過ぎることが多いので米ぬかと混ぜて使うか、アミエビに海水を加えてしゃぶしゃぶの状態で撒くようにすると撒き過ぎを防ぐことが出来ます。
なぜ撒き過ぎが良くないのか、実際に釣ってみるとよく分かりますが、寄ってきたサヨリはマキエばかり食べて肝心のサシエをなかなか食ってくれないからです。
上手なマキエの仕方は、サヨリにもうちょっとエサを食べたい、そう思わせるぐらいの量をちびちびと撒くことなのです。
サシエはサシアミと呼ばれる大粒のアミエビかオキアミのSサイズがいいでしょう。
他にサヨリが食い渋った時にイシゴカイを小さく切ってハリに刺すのも効果的なので、少しだけ用意しておきましょう。
立って釣りをすると背後から日が当たって水面に影が写ることがありますが、サヨリはこの影を嫌がるので、小型のクーラーを用意しそこに腰かけて釣るようにしましょう。
釣り場に着いたら最初にやることはマキエです。
まず、自分の釣り座にサヨリを寄せなければ釣りになりません。
マキエはヌカ入り、ヌカなしのどちらでも構いませんが、グレ釣り用の小型のシャクを使って竿先より2、3m前にポイントを作ります。
早く魚を寄せようと思って間断なくマキエを撒くのはよくないです。
一度にたくさん撒いて強引に寄せた魚は、何かあるとすぐに散ってしまいます。
ところが時間をかけてしっかり寄せた魚は、多分まだマキエが食い足らなくてなかなか散らないのです。
こういう状態になったら間違いなく入れ食いになります。
マキエを打っているポイント周りに幾つもの波紋が出るようになったら、サヨリが寄ってきている証明です。
ここで初めて仕掛けを投入しましょう。
波紋が出ているポイントの1mほど潮上から仕掛けを入れ、潮に乗せて流し込んでいきます。
潮が速いときはきれいに整列して流れていたウキが、急に左右に走ったり、先頭のウキから2、3個目まで沈むこともあります。
ここで軽く手頸を返してアワセを入れ、竿を立てて取り込みます。
サヨリの口の周りは意外に硬いので、きっちり合わせておかないとバレることがよくあります。
また、バラシが続くようだとハリ先がなまっていることが多いので、すぐにハリを交換してみてください。
サヨリはいれぐいになることも!
こうして1匹釣り上げたらシャクを使って1回だけマキエをし、魚を足止めしておけば、食いは持続します。
群れで行動する魚なので、ひとしきり釣れ盛ったらいなくなることがあります。
このときに全くマキエを止めてしまうと、また一から魚を寄せなければならないので、食いが止まっても少し間隔をあけてマキエは続けてください。
こうしておくと次に群れがやって来た時、すぐにアタリが出始めるからです。
沖にいるサヨリは遠投仕掛けで攻略しよう!
多くの人が暮らす海のそばの浅海を生活の場のしているせいだろうか、サヨリは警戒心が強く音や人の動きにもよく反応します。
このため危険を感じたらなかなか岸近くには寄ってこないので、短い竿でのウキ釣りでは狙えないことがよくあります。
そんな時に活躍してくれるのが飛ばしウキとマキエかごがセットになった遠投仕掛けです。
この仕掛けをぶん投げて沖にいるサヨリの群れを直撃し、マキエを撒きながら食わせるという釣り方が出来るのです。
ウキ釣りとは、道具や仕掛けが全く違うし、釣り方も違うので覚えるのは大変ですが、両方の釣りを知っておけば状況に合わせて釣りが選択できることになり、それが強みになるのです。
それでは遠投釣りのタックルから紹介しておきましょう。
時には50m近くも仕掛けを投げて釣ることがあるので、仕掛けをそれぐらい飛ばせる竿とリールが必要です。
ただ、サヨリの遠投釣りも専用の竿が市販されているわけではないので、他の竿を流用することになります。
竿の長さは4・5mぐらいで、オモリ負荷2~3号のフリースタイルのガイド付き竿がお勧めです。
ただ、投げ竿のような硬い竿だと釣り味が良くないので、魚の引きが十分に味わえる硬さのものを選んでください。
5・4mの磯竿やチヌ竿でも釣りは出来ますが、風の強い日などは竿が降りにくいかもしれません。
竿にセットするリールは、小型のスピニングリールがぴったりですね。遠投するといっても投げ釣りのように飛ばす必要はないし、釣る魚がサヨリなので、パワーが必要なわけではありません。
ですから小型軽量のスピニングタイプで十分です。大きさは1000番程度で2号のナイロン糸が100mぐらい巻けるものなら十分でしょう。
ただ投げては巻きを繰り返すので、ギア比は5・0ぐらいあるものが疲れなくていいですね。
道糸にナイロンラインを使うので、リーダーは必要なく、仕掛けは道糸に直結してください。
遠投仕掛けは、スーパーボウルとマキエかごがセットになったものを使います。
色んなタイプがありますが、性能的にはそれもあまり変わりません。
マキエかごの下にアタリウキがついていて、その先のハリス止めのところに糸付きのサヨリバリを引っかければ仕掛けは完成します。
それではマキエにするアミエビとサシアミを買って釣り場へ出かけましょう。
サヨリのポイントになる場所は、潮通しが良くて潮のヨレや潮目が出来るような場所が一押しです。
マキエかごにアミエビを詰めたら、そんな場所を狙って遠投します。
投げ方が悪いとよく仕掛けが絡みますが、これは仕掛けより重い飛ばしウキやマキエかごが先行して飛んでいくため、マキエかごの後ろにある軽い仕掛けが着水するときに道糸などに絡むのです。
これを防ぐために仕掛けが着水する少し手前で、リールのスプールに指を当て出ていく道糸を一瞬だけ止めてやると、その反動でウキやカゴより仕掛けが先行して着水し絡まなくなります。
仕掛けが着水した瞬間にマキエかごからアミエビが飛び出します。
これに反応してサヨリが食うことがあるので、しばらくそのままでアタリを待ちます。
10秒ほど待ってアタリがないときは、リーリングを始めましょう。
アクションを付けずにただ巻きのときは、ぽろぽろとアミエビがこぼれ出るように少しゆっくり一定のスピードで巻き続けます。
また、止めては巻きを繰り返すストップ&ゴーの釣り方も仕掛けを止めてから再度動かすときマキエがよく出るので、このときによく反応します。
ただ巻きもストップ&ゴーの釣り方もマキエを一点集中で撒くわけではないので、アタリの有無にかかわらず足元まで引いきて広く探るのがポイントです。
着水点から足元までマキエが広範囲に散らばっているので、どこでヒットするか分からないからです。
アタリははっきり出ます。アタリウキが沈んだり、左右に走ったりしますが、そのままリールを巻き続けていると勝手にハリ掛かりします。
また、サヨリが食った瞬間に水面から飛び出ることも多いですね。
このアタリも見逃さずにしっかりリールを巻いてください。
サヨリ料理をご紹介!
水面下を矢のように走るサヨリは、海の貴婦人にも例えられるスマートで美人なお魚のひとつですね。
サヨリは透明感のある白身魚で、水分が78㌫、タンパクが19・6㌫、脂質が1・1㌫と非常に少なくあっさりした魚なので、寿司ネタや糸造り、酢の物、椀種の結びサヨリなどが定番料理です。
開き干しにすると、さらに身が締まって美味しく、布締めもお勧めです。
半透明で背が青く骨まで透き通って見えそうに思えるほど美しい肌をしています。
ところが腹を開いてみると、暗黒を思わせるほど腹膜が真っ黒です。ただ、これは内臓を守るためにこうなったのですから仕方ないですよね。
そして、女性陣に一言ご注意を。「あなたはサヨリのような人ですね」といわれたとき決して喜んではいけませんよ。
それは美人だと褒められているのではなく、あなたが腹黒い人だといわれているのですから。
もうひとつサヨリにはウイークポイントがありました。それはサヨリヤドリムシと呼ばれる寄生虫です。
ほとんどのサヨリのエラの中に寄生している虫で、人間には寄生しませんが見た目が悪いので、虫嫌いの人にはお勧めできませんね。
この虫を見たくない人は、ウロコを落としたら頭を切り取ってから料理して下さい。
サヨリ歯切れのよい食感が楽しめる魚で、半透明の身はクセがなく、色んな料理に使われます。
刺身は言わずもがな握り寿司に酢の物、昆布締めに塩焼き、椀だねに結びサヨリなんぞが登場したら感激ものです。
旬は初冬の11月ごろから翌春の3月ごろまで。
4月を迎えると早い所では産卵を始めるので卵に栄養を取られて味が落ちます。
それではサヨリ料理をいくつか紹介しておきましょう。
サヨリの昆布締め
サヨリはウロコを取り頭を落として腹を開いたら、水を流しながら歯ブラシなどを使って黒い腹膜を奇麗に掃除しておきます。
水気を取ったら三枚の下し腹骨と血合い骨を取り除いてから昆布に包んで冷蔵庫で寝かせます。
早く食べたいときは、身を薄く削ぎ切りにしてから昆布に包むと早く味がしみこみます。
出来上がった身に下ろしワサビを少しだけ乗せ、たまり醤油にちょぼっとだけ浸して素早く口の中へ。
程よい歯ごたえの身を噛んでいるうちに、控えめなサヨリの身のうまさとアミノ酸を多量に含んだ昆布のうまさとがええ塩梅に融合して口の中を支配します。
ここに旨口の冷酒があったら、至福の時が味わえますね。
サヨリの塩焼き
サヨリのうまさをシンプルに味わいたいときは、塩焼きが一番です。
ウロコを落とし内臓を出したら、苦みがある黒い腹膜を奇麗に掃除してからエラと寄生虫がいたら取り除いておきます。
サヨリの体にまんべんなく塩を振り、強火の遠火で焼きあげますが火の通りが速い魚なので、焼き過ぎないよう注意してください。
塩はできれば天然塩を使って下さいね。
ミネラル分が豊富な天然塩は、サヨリの味を一層引き立ててくれます。
サヨリのフライ
淡白でクセの無いサヨリは、フライなどの揚げ物にしても美味しいですよ。
ウロコを取り頭を落としたら、中骨をすき取り小麦粉と溶き卵をまぶしてからパン粉を付け、さらっと揚げましょう。
揚げたてにケチャップをかけ、ウスターソースを回しがけて頂くのも乙ですよ。
サヨリの干物
塩焼きと同じようにシンプルな料理法ですが、サヨリの旨さがダイレクトに伝わってきます。
ウロコを取り頭を落として二枚に開きます。
これを5%の塩水の中に1時間ほどつけ、よく水気を取ってから風通しの良い場所で陰干しにします。
焼くときは焦がさないよう上手に焼いて下さいね。
熱々を頬張るとほこほこの身がさらに膨らんで口の中で広がります。
熱燗にするかビールをぐびっとやるか迷いますね!
さて、今回はサヨリの釣り方や食べ方をご紹介いたしました!
サヨリは比較的手軽に釣れる魚の1種なので、サヨリ釣りにみなさんも一度チャレンジしてみてくださいね!
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