夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全

いよいよ夏本番。初心者から家族、グループで釣りを始めるには最適のシーズンだ。「どこで何を釣ろうか?」そう悩んだら管理釣り場のトラウトフィッシングをお勧めしたい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全

エリアトラウトで夏レジャー

管理釣り場とはトラウトが放流され、手軽に釣りを中心としたレジャーを楽しめる管理された釣り場のことである。休憩できるレストハウス、トイレ、食堂が整備され、女性や子供、シニアにも安心。BBQ施設、宿泊施設が併設されている所もあり、家族やグループでも楽しめる。レンタルタックルや釣り教室もあって、初心者から利用しやすくなっている。

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全家族で出かけてみてほしい(提供:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

トラウトはルアーフィッシングの格好のターゲット。好奇心旺盛でルアーに好反応を示し、そのファイトは強烈。そして、食べてもおいしい。

管理釣り場の管理人として、また初心者のための釣り教室を7年間ほぼ毎日開催してきたインストラクターとして、皆さんにエリアトラウトの楽しみ方を紹介したい。

エリアトラウトのタックル

購入する場合は、エリアトラウト専用のタックルを選択したい。釣果や上達、また楽しさをも左右するのがタックルなのだ。購入時は品数がそろっていて、ちゃんとしたアドバイスをくれるお店を選ぶことが大切だ。

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全参考タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

普段バスフィッシングやアジングを楽しんでいる人は、タックルの取りあえずの代用は可能だ。また、初心者の人であればレンタルタックルを使ってみてから購入するのをお勧めしたい。

ロッド

エリア用のスピニングロッド6ft前後。硬さはUL、SUL、XULなどが一般的で、極端に硬いものや軟らかいものなど特化したものは扱いにくい。適度に張りのある標準的なものがお勧め。

リール

スピニングリールの1000~2000番クラス。リールハンドルの取り付け方向も重要。これから始める人は、キャストする手と反対の手で巻くようにハンドルをセットすると上達が早い(右利きの場合は右投げ左巻き)。

ライン

初めての人はナイロンライン3lb(約0.8号)の透明カラーが基本。経験者はフロロカーボンラインやPEラインでも楽しめる。フロロカーボンラインは2lb以下、PEラインは0.2~0.3号がお勧めだ。

カラーラインにはよく見えるというメリットがあるが、反面魚からも見えやすいというデメリットもある。カラーラインを使用する場合は、先端に透明リーダーを結ぶこと。またPEラインも同様だ。

スナップ

ルアーの接続にはスナップを使う。いちいち結ばなくていいのでルアーチェンジが素早くでき、釣果向上につながる。サイズは00~000番の小さなサイズを使う。

ラバーネットなど

ラバーネットは全長110cmぐらいの柄の長いものがお勧め。柄の短いコンパクトなものはネットインしづらく、バラシの原因となる。キャッチ&リリースが基本のエリアトラウトでは、ネットの素材はシリコンラバー製が魚に優しくてお勧め。玉網やクレモナ製は魚を傷めやすい。

また、魚の口の奥にフックが刺さることもあり、ペンチ類は携行してほしい。さらに、魚に触らず素早くリリースができるリリーサーも用意しておくといい。

その他

熱中症予防と頭部の保護のための帽子や、目をフックや紫外線から守るサングラスなどのアイウェアも必需品。偏光グラスを使うと水中の魚が観察しやすくなり、釣果向上につながる。この他、天候の急変時や肌寒いときにも羽織れる通気性のいいカッパは車に常備しておこう。

使用するルアー

スプーン、クランクベイト、ミノーが代表的。夏場を中心にポッパーなどのトップウオータープラグ。冬場を中心にメタルバイブレーションやバイブレーションプラグも有効。今回は特にスプーン、クランクを紹介したい。

スプーン

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全エリアの基本はスプーン(提供:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

トラウト用ルアーの代名詞的存在であり、ルアーの起源ともいわれている。使い方は「ただ巻き」が基本で一定のスピードで動かすのだが、詳しい使い方は後述する。

ウェイトは軽いものから重いものまでさまざまで、主にスピードが決まる。魚の状況に合わせて重さを使い分ける。まずは、1.2~1.5g前後を中心に用意し、放流時は2~3g前後を使うと効率よく釣れる。日中などルアーへの反応が悪くなる時間帯もスプーンで釣りたければ、1g以下のウェイトも用意しておこう。

クランクベイト

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全クランクベイトは初心者におすすめ(提供:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

初心者に最もお勧めしたいルアーがクランクベイト。その理由は使いやすく釣りやすいこと。まずは、適正速度の幅が広いので使いやすい。ゆっくり巻いてもいいし速く巻いてもいい。また、ルアーを巻いていると「ブリブリ」とルアーの動きが手元に伝わり、使っている感覚がつかみやすい。

さらに、魚がヒットするとアタリがドン!と手元に伝わりやすく、結果として好釣果につながる。初心者に使いやすくお勧めなのは、フローティング(F)と呼ばれる水に浮くタイプ。その中でもSR(シャローランナー)と呼ばれるリップが小さめの表層を泳ぐタイプが、これからの季節のお勧めである。

初心者お勧めルアー

Xスティック、ぐるぐるX、セニョールトルネードなど。使い方は簡単で、これも「ただ巻き」が基本。初心者でもよく釣れるので、ここからエリアトラウトの魅力にとりつかれた人も多い。基本も習得できるので最もお勧めしたいルアーである。

エリアトラウトの釣り方

エリアトラウトの釣り方を詳しく解説しよう。

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全ルアーフィッシング入門にも最適(提供:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

ルアーの操作方法

ルアーの動かし方の基本は「ただ巻き」だ。リールのハンドルを一定の速度で巻く簡単なものだ。しかし、やっているのに釣れる人と釣れない人がいる。その理由は「ただ巻き=一定の速度で巻く」では、説明不足で真意が伝わりにくいからだ。そこで、「ただ巻き」をもう少し詳細に説明したい。

「ただ巻き」とは「3つの一定を同時に両立する」ということである。

(1)一定のリズム(ルアーの左右へのアクション)。
(2)一定のスピード(ルアーのスピード)。
(3)一定のレンジ(ルアーの泳ぐ深さ)。

巻き始めから巻き終わりまで、この(1)~(3)の「3つの一定を同時に成立させる」ことが「ただ巻き」の真意で、これが基本となる。

場所の選択

釣りをするにあたって最初にすることは、場所を選択することだ。この時期は水温も上昇するので、魚は水車やインレットなどの水の動きが良く、溶存酸素量の多い所を好む。そんな習性を加味しつつ、可能であれば釣り場を歩き観察して、元気な魚が多くいる所を釣り座に選ぼう。

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全緑に囲まれた管理釣り場は避暑にも最高(提供:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

レンジ(タナ)

レンジとは水深のこと。どの水深の反応が良くて釣れるかを探すことを「レンジを探る」という。どの水深にも魚はいるが、その中でも反応が良くて釣れるレンジにルアーを泳がせることが重要だ。

レンジは大きく分けて表層、中層、底層と表現する。平谷湖の場合、これからの季節は表層が良くなるシーズン。水面(トップウオーター)、水面直下、水面から1mぐらいのレンジを狙うと釣果につながりやすい。

巻くスピード

「3つの一定」ができるスピードであれば(その範囲内であれば)、速く巻いてもゆっくり巻いても適正スピードといえる。しかし適正スピード=釣れるスピードというわけではない。速く動くものに好反応なときもあれば、ゆっくり動くものに好反応なときもある。

放流魚のようにルアーを見たことのない魚や、高活性時は速く動くものに興味を示し、放流後長く池の中にいて学習の進んだ魚や低活性時の魚は、ゆっくり動くものに興味を示すように思う。よって釣るためには魚の反応のいいスピード、釣れるスピードで巻くことが大事なのだ。

ルアーのカラー

派手なカラーから地味なカラーへのローテーションが基本である。放流時は派手なカラーのオレキンやアカキンが効果的。続いてアオギンや蛍光色を投入。さらに地味なカラーに振って、ピンク、カラシ、オリーブなどとローテーションしていく。

放流時を除いて、私のお勧めのカラーローテーションは、まずは白などの明るめのカラーを使うこと。泳ぐルアーが視認でき、適正なスピードで巻けているかチェックできる。さらに、そのルアーへの魚の反応を見ることができることがその理由だ。

「アワセ」のやり方

アワセを入れネットインする魚がヒットした際、フックが貫通していれば釣れるが、フックをくわえているだけのこともあり、その場合はバレてしまう。

そこで、ヒットしたら「巻きアワセ」というフッキングさせる動作をする。ルアーを一定速度で巻いている→アタリを感じる→ハンドルを素早く1~2回転回す。これが「巻きアワセ」で、フックが貫通しフッキングが完了する。ロッドだけでアワせようとするとタイミングが遅くなることが多いので、巻きアワセを併用すると効果的なフッキングができる。

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全親子で協力してランディング(提供:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

魚の取り込み

フッキング後は早めのスピードで巻き寄せ、ラバーネットに入れる。ラインがたるんでテンションが抜けないようにすることだ。しかし、肝心なのは、この時魚の手応えを感じながら釣れた感動を味わうことである。

ネットインした魚はフックを外す。手順は、ネットを水辺において膝で固定→ロッドを置いて片手でラインを持ち、魚がややぶら下がった状態にする→反対の手でフックの軸をつまみクルリと上下をひっくり返す。魚の鑑賞や写真撮影はフックを外してから、水中または水面で行う。

狙いめの時間帯を見極めよう

管理釣り場にいつ行くか。初めて管理釣り場に行く場合、可能であれば放流日をお勧めしたい。平谷湖の場合、放流日は土・日・祝日となっており、前日の営業終了後に放流を行うので、オープンと同時に釣り始めたい。

放流のない平日の魅力はゆったりと釣りができること。来場者も少ないので移動をしながらよく釣れる場所を見つけて、のんびりと楽しみたい。時間的には、朝マヅメといわれる朝一が釣果的には釣りやすい。

朝はのんびりしてゆっくり来たい人には、午後券もあるので安心だ。夕マヅメといわれる夕方も釣りやすくなる。平谷湖では午後4時からはエサやりタイムもあるので、あまり釣れなかった人もこの時間はよく釣れるはずだ。

放流を楽しもう

放流とは養鱒場で大切に育てられたトラウトが釣り場に放たれること。放流後のトラウトはルアーを見たことがなく、キラキラした派手な色や速く泳ぐスピードに興味を持つ。よって、オレキンなどの派手なカラーや適正スピードの速い重めのスプーン(2~3g前後)に反応が良い。

しばらくすると学習が進み、そういったものへの反応が悪くなる。地味なカラーへのカラーローテーションや、適正スピードの遅い軽めのスプーン(1.2~1.5g前後)へとウェイトローテーションしていく。また、よりゆっくり泳がせることのできるクランクベイトも効果的。クランクベイトはシルエットが大きく水を動かすアピール力もあるため、早めの投入も効果的だ。

なぜ魚はルアーで釣れるのか

初心者ルアー教室で、「どうして魚はルアーで釣れると思う?」と聞くと、ほとんどの人は「エサと勘違いして」と答える。そして「いつかは食ってくれるだろう」とひたすら投げ続け、魚は釣れずに時間だけが経過する。「釣りって面白くない。疲れた」と、釣りが嫌いになっていく。

そんな人には、魚が釣れるのは「魚がルアーに興味を持ってつかんできた」と考えてみてほしい。興味のあるものが目の前にあったら、あなただったら「えっ、これ何?」と興味で手に取ってみると思う。魚には手がないので、口で手に取る行動をしたのではないか。

それに気づくと初心者の行動が変わる。ルアーを見て、さらにその周囲の魚たちを観察して、私のルアーに、タナに、スピードに、カラーに、興味があるのかないのかを見極める。バッチリと興味が一致したら釣れるだろう。

夏レジャーに最適のエリアトラウト入門 初心者・ファミリーでも安心安全なぜルアーで釣れるのか考えてみよう(提供:週刊つりニュース中部版 服部鱒宏)

ウィズコロナ時代と言われているが、管理釣り場としては、誰もが安全に釣りができるよう対策を万全にするとともに、新たな釣りスタイルで楽しんでいただきたい。

<週刊つりニュース中部版 服部鱒宏/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
平谷湖フィッシングスポット
この記事は『週刊つりニュース中部版』2020年7月24日号に掲載された記事を再編集したものになります。


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