
今こそテンヤの始めどき! 脳汁ドバドバの衝撃を味わおう
「ガツンとした衝撃を味わいたい」
「とにかくでっかいのを釣りたい」
そんなファンにおすすめなのがテンヤ釣りだ。
誘いでアタリを引き出して、強い重みを感じたところで大合わせ。
120cmオーバーのドラゴンサイズが掛かれば、「衝撃的」としか言いようのない脳汁ドバドバの至福のときがやってくる。
「今はどんな誘い方でもアタリが出ますから、テンヤを始めるのにもいい時期です」とは三浦半島走水港・関義丸の関口雄介船長。
テンヤはエキスパートばかりで難しそうな釣りというイメージもあるが、船長が言うとおり今は始めるのに絶好のシーズンだ。
大中小交じりで数釣れる今、自身でその衝撃とドラゴンの引きを味わおう。

初挑戦で大型ゲット
今や東京湾の3大タチウオ釣法の一つと言えるテンヤ釣り。
元もと大阪湾や豊後水道などで盛んな釣りだが、東京湾ではここ5年ほどで一気にブレイク。
本格的に始まったころは130〜140cm級のいわゆる「スーパードラゴン」サイズが多く釣れ一気にファンを増やした。
また、合わせた瞬間の硬質で独特の衝撃は、脳汁がドバドバ放出されて釣り手はあっという間にそのトリコになってしまう。
「ずっと竿を動かしていないとダメなんでしょ」
「体力がないし難しそう」
そんな理由から敬遠する人も多いと聞くが、アタリが多く釣りやすい今の時期は始めるのに最高の時期だ。
竿頭を狙うような人のハイレベルなテクニックは置いておき、「だれでもそこそこ楽しめる」のが今と言える。
「初めての人で貸し竿で挑戦する人も多いですよ」とは三浦半島走水港・関義丸の関口雄介船長。
関口丸のタチウオ船は7時15分出船、13時沖揚がりの「ショート船」で、テンヤだけでなくテンビンでの乗船もOKだが、「9割くらいテンヤかな」と船長。
友人同士で一人はテンヤ、一人はテンビンというケースでも安心して乗船できる。
取材したのは8月中旬で大中小交じりで小型も多かったが、下旬には中大型が増えたようで、さらにヒートアップ。
今回は今始めても「そこそこ楽しめる」テンヤ釣りを紹介する。

特大サイズを釣りたいならテンヤが有利
専用竿があればいいが流用も効く
竿は全長1.8m前後、8:2〜9:1調子のテンヤタチウオ用。
エキスパートの人たちは超鋭敏な9:1や逆に軟らかめか両極端の竿を好む傾向にあるが、まずはMHなどの中間調子のものが扱いやすいだろう。
専用竿のほかに、胴がしっかりした8:2調子前後のゲームロッド、マダコ用なども流用できる。
リールは小型両軸か超小型電動。
一日中何らかのアクションを続けるため、軽さを重視するなら手巻きリールを選択する。
この場合、巻き上げの負担を軽減するためにロングハンドルに交換している人が多い。
どちらかというとエキスパートの人たちほど軽量小型両軸を選ぶ傾向にある。
超小型電動は重量では小型両軸にかなわないものの多くのメリットがある。
電動を微速にした誘いも可能だし、掛けてからのヤリトリも常に負荷をかけ続けられるし、カウンターで当たりダナの把握もしやすい。
道糸は関義丸ではPE2号以下の使用がルールだが、目下は1.5号が主流となっている。
リーダー10号程度を直結するか、極小サルカンを用いて接続しておく。
テンヤは40号。
各メーカーから実績があるテンヤが多く発売されているので好みで選ぼう。
テンヤは派手な色のアピール系とシルバーなどのトーンを抑えた色に大別できる。
魚の活性によってその2つを使い分けることが多いので、派手めなもの、地味めのものの両方をそろえておこう。
朝イチや食いがいいときは派手なアピール系を使い、食いが渋くなったら地味めの色に変更する。
その日、そのときに強い色、大型が好む色も存在するので、周りの釣れている人が使用しているテンヤも観察しておこう。
テンヤはどれぐらい用意したほうがいいのか、という疑問もあるだろうが、初めてなら最低でも5〜6個くらい用意しておくと安心。
大型が掛かったときにリーダーから切れてしまうこともあるし、オマツリで高切れしてロストすることもあるためだ。
テンヤを購入するとイワシを固定するためのワイヤーが付属されているが、別にワイヤーを用意しておこう。
また、エサを付けたテンヤを置くためのトレー、クーラーの中にしまっておくときに便利なプラスチック容器もあると便利。
いずれも百円ショップで購入できるものでOK。
このほか、指ゴムを人差し指に装着しておけば取り込み時に安心。
特大サイズを抜き上げるとき、リーダーで指を切る可能性を軽減してくれる。

エサで釣果が決まる 余裕を持って購入を
関義丸では乗船時に冷凍イワシを購入できる。
1箱22匹入りで1000円。
沖に出てしまうと船上で追加購入できないので注意を。
多くの人は3箱は購入するようだが、最低でも2箱は購入しておきたい。
イワシエサを保管するためのエサ用のクーラー、または大型クーラー用のプルーフボックスを用意しておくと安心。
9月以降もまだまだ残暑は続きそうだから生エサの管理は重要になる。
乗船してエサを購入したらまずはバケツに海水をくむなどして10匹程度解凍しておく。
ほかのエサはクーラーで保管。
出船前に5個程度はテンヤに装着しておきたい。
装着したら密閉容器などに入れてクーラーへ。
●イワシエサの付け方
①エサ付けはイワシの大きさにもよるが、テンヤと並べてみてハリがカーブする場所よりも少しイワシの尾が出るくらいのバランスになるようにハサミで頭側をカット。
②頭を落としたら腹側を上に向け、腹側からハサミを入れて肛門付近まで切る。
このとき、少し側面にズラして切るとワイヤーを巻いたときにきれいに収まる。
内臓はそのまま使っても、出してもどちらでもOK。
内臓を入れて使うと匂いも出てアピール度は高くなる。
シルエットを細くして使いたいなら内臓を抜いて装着する。
③テンヤの上側から被せ、上から見て中央にくるように刺し入れる。
④形が整ったら、ワイヤーでていねいに均等に巻いて最後に固定する。
ワイヤーの巻く方向(頭側から、尾側から)は自分で決めて常に同じ向きで巻くようにするとスムーズにできる。
この釣りが上手な人はまず間違いなく巻き方が美しい。
規則正しく巻かれ、見るからにエサもうまそうに見える。
ていねいさを心がけよう。
この釣りのエキスパート、高槻慧さんの本誌連載でも度たび紹介しているが、最近流行しているのが切り身エサ。
3枚におろした切り身の身側を外側にして装着したものだが、通常のエサで食い渋るのに、このエサばかりにヒットすることも多いというから、興味のある人は試していただきたい。
身を外側にすることで集魚効果も見込めるし、そもそも魚の形にもなっていないので、1回のエサ付けで何本も釣れる可能性もある。
ただし、汚れやすいのでまめに拭き取っておこう。


エサ用クーラーの持参を
テンヤ釣りのエサは冷凍のイワシを使用するが、まだまだ高気温が続くためエサ専用のクーラーボックスがあると安心。
大型クーラー一つで済ませるなら、密閉ケースやプルーフボックスを有効活用したい。

まったくの初心者なら巻くだけもあり!
船長から投入の合図があったら、周りとオマツリしないように軽く前方に投げ入れる。
リールのドラグは強く引いたら少し出るくらいに調節しておく。
「タナは50mより上」
「タナは50から40mくらい」などと幅広くできる場合や、「タナは50〜47m」と狭い範囲で出ることがある。
この釣りはタナが重要なので船長のアナウンスは聞き逃さないこと。
もし分からなかったら隣の人に聞こう。
この場合はどの指示でも海面から50mよりは落とさないこと。
船長は一番濃くて釣れそうな反応を指示している。
指示ダナよりも下げてしまうと、そのエサを追って反応も下がってしまうためだ。
電動リールを使用する人もカウンターは目安にして道糸で正確にタナ取りを。
タナの下限でストップしたら誘いに入る。
目下の東京湾で多くの人が行っているのがノンストップバイブレーションという誘い。
上下に細かく振動するようなアクションを加え誘っていくというもの。
脇挟みしてリールをホールドするような姿勢、または片手を竿のバット部分に添えて行う。
電動の場合は微速に入れておけばアクションのみに集中できる。
タナの範囲内を一気に広く探る場合、決めたタナで一定時間誘い続ける場合、途中で止めを入れる場合のほか、誘いの幅や強弱を付けてアタるパターンを探していく。
この誘いではアタリは竿先が浮き上がる場合、手元が押さえ込まれるような場合など様ざま。
浮き上がるようなアタリは即合わせで、その他の場合はしっかりと引き込むか重量感を感じてから合わせる。
このほか、竿をスイッと誘い上げるなど、色いろなパターンの誘いでその日、そのときにマッチするものを探していく。
取材日はスピーディーな誘いには小型が多くヒットし、長めの待ちで大型が掛かってくる場合が多かった。
高活性時はアタリ=合わせどきということもあるが、基本はアタリがあったらしっかり追わせてから合わせる。
誘いの手を止めずに誘い続ける、または微速で巻き上げていき強く引き込んだところが合わせどき。
状況によって合わせのタイミングに見極めも重要だ。
「一日中ずっとシャカシャカやってられない」
そんな人はタナの中をゆっくりめのスピードで巻いてくるだけでもいい。
「ほかの釣りもあまりやったことがないような全くの初心者の人にはタダ巻きもすすめています」と船長。
下手な動きで警戒感を与えるならば、スーッと上がっていくだけのほうがアタってくる可能性があるというわけ。
うまく誘えない人は当たりダナで置き竿にしておいてもいい。
突然、ポーンと竿先が浮き上がりその後にギューンと入り込む。
意外と置き竿で船中最大魚ということもある。
合わせが成功すると、強い抵抗を見せる。
デカイと思ったらドラグを少し緩めるなどして無理をしない。
ここでドラグがガチガチだと竿を折ってしまう可能性があるためだ。
ドラグと竿で引きをいなし巻き上げていく。
ただし、テンションが抜けるとハリが外れることも多いので、緩めないように注意しよう。
魚が海面まできたら手を大きく伸ばしてテンヤ近くのリーダーをつかみ、一気に抜き上げる。
大型の場合は竿を置いて両手でつかむ。
安全のため、竿でそのまま抜き上げるのではなく、小型でもリーダーをつかんで抜き上げること。
取材日はテンヤ釣り初挑戦という人も何人かいたが、いずれもタダ巻きや置き竿でもヒットしてそれなりに楽しめていたようだ。
もちろん、今の時期は魚影濃くアタリも豊富。
バラシも多い釣りだが、こんな時期だから色いろ迷いながら試すのもいいだろう。
アタリが多ければそれだけ上達も早くなる。
まずはこの釣りの魅力に触れて、ハマりそうなら次のステップに進もう。


常連の沖山さんは長めの待ちで狙いどおりの大型を掛けた

トップは32本だった

指幅4本クラスが多かった
船宿information
三浦半島走水港 関義丸
046・841・7154
▼備考=予約乗合、7時15分出船。ほかショートアジへも
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