円安や物価高の影響で、釣具の価格も年々上昇しています。そこで今回は、筆者が実際に使用している海外製リール5機種の中から、高価格帯から低価格帯までおすすめモデルを紹介。スピニング・ベイトを問わず、「この価格でここまで使えるの?!」と感じた高コスパ機から個性が光るモデルまで、実釣で感じた魅力と気になる点を率直にレビューします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター刀根秀行)


Kestrel Ultima
KASTKING「Kestrel Ultima」は、自重130g以下、ベアリング込みで約4.5gという超軽量スプールを搭載したベイトフィネスリールです。海外製リールというと、「価格は安いけれど質感はそれなり」というイメージを持たれがちですが、このモデルはその印象を大きく覆してくれました。
巻き心地やクラッチフィール、ボディの剛性感まで非常に高いレベルでまとまっており、「高性能なリールを作ろう」というメーカーの本気度が伝わってきます。
ケストレルアルティメイト(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)軽量リグが投げられる
実釣では0・6gのジグヘッド単体でも十分実用的。0・2gまでキャストテストも行いましたが、さすがに実戦向きとは言えないものの、投げること自体は可能でした。投げ感はシマノのFTBに近い印象を受けますが、DAIWAのマグネットブレーキのような安心感も兼ね備えています。
ブレーキはやや強めですが、その分バックラッシュが少なく、扱いやすさは非常に高いと感じました。飛距離も申し分なく、サードパーティ製スプールを組み込んだ国産BFS機と比べても遜色ない、あるいはそれ以上と感じる場面もありました。
レベルワインダーが独特
一方で、レベルワインダーの構造はかなり独特で、長期間使用した際の耐久性は少し気になるところ。また、「あと少しブレーキが弱ければもっと気持ち良く投げられるのに」と感じる場面もありました。とはいえ、それらは致命的な欠点ではありません。
国産ハイエンド機並み!
約5万円という価格は決して安くありませんが、完成度は非常に高く、国産ハイエンド機と肩を並べられる一台だと感じています。「人と被らないリールが欲しい」「アジングやエリアトラウトだけでなく、バスまで幅広く使えるBFS機が欲しい」という方には、十分おすすめできるモデルです。
執筆時参考価格:45980円
Takuma P7+
Takuma P7+は、実売15000円以下とは思えない完成度を持つベイトフィネスリールです。自重130g以下、約5gの軽量スプールを搭載し、軸受けは金属ベアリングとセラミックベアリングから選択可能。ボディには金属パーツも採用されており、価格以上の高級感があります。
超軽い5g以下(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)筆者はセラミックベアリング仕様を選択しましたが、多少シャー音はあるものの、巻き心地や剛性感に大きな不満はありませんでした。唯一気になるのはハンドルノブのカラーくらいでしょうか(笑)。
Takuma P7+(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)キャスト性能は優秀
キャスト性能も優秀で、1g前後のルアーから十分実戦投入できます。投げ感はダイワのマグネットブレーキに近く、セッティングが非常に楽。ピーキーさが少なく、誰でも扱いやすい印象です。
また、スプールとボディの隙間が狭いため、ラインが噛み込むトラブルもほとんどありません。筆者自身、このリールでは一度も経験していません。
Takuma P7+(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)15000円以下でも優秀
突出した個性こそありませんが、
- 巻き心地
- 剛性感
- キャスト性能
- 扱いやすさ
これらすべてが高いレベルでまとまっています。「何か一番ではないけれど、全部が優秀」。そんな優等生という表現がぴったりの一台です。ドラグの調整幅がやや少ないため、大型魚とのファイトには多少不安が残りますが、エリアトラウトやアジングなどライトゲーム中心であれば十分活躍してくれるでしょう。
もし予算に余裕があるならKestrel Ultimaをおすすめしますが、アンダー15000円という価格帯では非常に満足度の高いリールです。
執筆時参考価格:11865円
OKUMA EVOLT
OKUMA「EVOLT」の最大の特徴は、ハンドルアームの設定を変更することで、「95mmダブルハンドル」と「45mmシングルハンドル」を簡単に切り替えられることです。
エギングやフロートアジング、シーバスなど一定速度で巻く釣りではダブルハンドル、バスフィッシングのようなストップ&ゴーを多用する釣りではシングルハンドルと、1台でさまざまな釣りに対応できます。さらに、大口径・高剛性ギアを採用しているため、高負荷時でも比較的スムーズに巻くことができます。
一方で、オクマらしく巻き感はやや重め。とはいえ、以前弱点と言われていたラインローラーには、自動車部品にも使われる「DLCコーティング」が施され、PEラインでのナイトゲームでもライントラブルはほとんどありませんでした。
OKUMA EVOLT(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)シマノ用ハンドルと互換性あり
2500番で自重215gと、最近のスピニングリールとしてはやや重量がありますが、その理由の一つが可変ハンドル機構です。ちなみにオクマのハンドルネジ規格はシマノと共通なので、シマノ用ハンドルとの互換性があり、カスタムを楽しめる点も魅力の一つです。
シマノハンドルと互換(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)軽さでは最新モデルに及びませんが、「1台で2つのスタイルを楽しめる」という唯一無二のギミックは、釣り好きの遊び心をくすぐります。
OKUMA EVOLT(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)筆者としては、
- エギング
- ナマズ
- バスフィッシング
との相性が特に良い印象です。エリアトラウトやアジングにも使えますが、フロートリグなど比較的重量のある仕掛け向きでしょう。
執筆時参考価格:9130円
TEBENカーボンファイバー炎
このリール最大の魅力は、何と言っても109gという圧倒的な軽さです。5ft前後までのショートロッドと組み合わせると先重りもほとんど感じず、「軽さは正義」という言葉を実感できます。20cm前後までのアジングなら、性能面で大きな不満を感じることはありません。
TEBENカーボンファイバー炎(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)もちろん約5000円という価格帯なので、
- ボディ剛性
- ドラグ性能
- 箱出し時のシャリ感
など、高級機との差はあります。ただし、一度分解してベアリングの洗浄やグリス交換を行うだけでも巻き感はかなり改善します。ドラグワッシャーやドラググリスを交換すれば、エステルラインを使ったライトゲームでも十分実戦投入できる性能になります。
価格が手頃なので、リールメンテナンスの勉強用として購入するのも面白いでしょう。
TEBENカーボンファイバー炎(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)軽さ優先のアングラーにオススメ
「剛性感よりも軽さを優先したい」というアングラーには非常に魅力的な一台です。
特に、
- アジング
- エリアトラウト
など、小型魚をテンポよく釣るゲームとの相性は抜群。一方で、大型魚とのファイトでは剛性不足を感じる場面もあるため、ターゲットは割り切って使うことをおすすめします。筆者自身、アジングでは今でもメインリールの一つとして使用しています。
執筆時参考価格:5679円
Fishinfans C1DC
DCブレーキ搭載ベイトリールといえば、どうしても重量が増え、軽量ルアーとの相性はあまり良くないというイメージがあります。そんな常識に挑戦したのが、このFishinfans「C1DC」です。実際に1gのジグヘッド単体から試してみましたが、正直かなり厳しい印象でした。
Fishinfans C1DC(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)投げること自体は可能ですが、
- 飛距離
- コントロール性
ともに実戦レベルとは言えません。
しかし、1・5g以上になると一気に扱いやすくなり、3g前後ではDCブレーキならではの安心感をしっかり感じられました。「軽量ルアーをDCで投げる」というコンセプトは十分成立していると思います。
Fishinfans C1DC(提供:TSURINEWSライター刀根秀行)価格は5000円以下
そして驚くのは価格です。実売なんと5000円以下。
正直、もっと粗い作りを想像していましたが、
- 巻き感に大きなゴリ感はない
- DCもしっかり機能する
- ボディ剛性も価格を考えれば十分
と、予想以上の完成度でした。
もちろん高級機と比較すると、
- ボディはややプラスチッキー
- 剛性感もそれなり
ですが、「価格以上」の満足感は十分あります。ベアリング追加など、まだまだ伸びしろも感じるリールなので、自分好みに育てていく楽しみもあります。完成されたリールというよりは、「実験機」や「遊べるリール」という表現がぴったりでしょう。
人柱精神を楽しめるアングラーなら、かなり面白い一台だと思います。3g以上のルアーを使う釣りであれば、ターゲットを問わず十分楽しめるリールです。
執筆時参考価格:4075円
海外製リールは価格以上に面白い
「高くて国産リールが買えない(笑)」という理由から使い始めた海外製リールですが、気付けば国産リールにはない個性的な魅力の虜になっていました。もちろん、国産リールの完成度や信頼性は非常に高く、私自身も大好きです。ただ、海外製リールとは目指している方向性が少し違うように感じています。
今回紹介した5機種を振り返って改めて思ったのは、海外製リールは価格が安いほど尖った個性を持つモデルが多いということです。高価格帯モデルは国産ハイエンド機に迫る完成度を目指している一方、低価格帯になると、
- 自重109gという超軽量モデル
- ベイトフィネス対応DCリール
- シングル・ダブルハンドルを切り替えられる可変モデル
など、国産にはない発想のリールが数多く登場しています。今回は紹介しませんでしたが、さらに低価格帯には「超軽量ルアーを投げることだけに全振りしたベイトリール」など、思わず試してみたくなるモデルも存在します。
もちろん、箱出しの状態では多少クセがあったり、メンテナンスやカスタムが必要な機種もあります。
しかし、
- 手を出しやすい価格
- 人と被らない所有感
- 自分好みに育てる楽しさ
これらは海外製リールならではの魅力と言えるでしょう。物価高が続く今だからこそ、「安いから妥協する」のではなく、「安いからこそ新しい世界を楽しむ」という選択肢も十分アリだと思います。
性能だけではなく、遊び心や個性も楽しめる海外製リール。今回紹介したモデルが、新しいリール選びの参考になれば幸いです。
<刀根秀行/TSURINEWSライター>
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