筆者にとってエゾイワナはシーズン通してのメインターゲットです。毎年、私の釣りは雪代が本格化前のイワナ狙いから始まり、晩秋/初冬のアメマス(エゾイワナ)釣りで終わります。夏はヤマメを追いかけつつイワナ沢にも通うのが定番。今回は37cmのエゾイワナをキャッチした源流ルアー釣行をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
バッタを意識したカラーのルアー
8月初旬、野性溢れるエゾイワナを拝みたくてとある里川支流の源流域に行きました。その川はイワナの魚影が濃く残雪残る4月から足繁く通っていて6月にはエゾイワナとしては自己最高記録の44cmをキャッチしています。
本流との合流部から中流域にかけてはいかにも里川という趣ですが上流はボサに覆われ大きな岩や倒木のポイントが連続する典型的なイワナ沢です。現地に到着して多くのバッタを見かけたので、それを意識したカラーのミノーとスプーンを中心にアプローチします。
早々に20cm前後のイワナ
その日の天気は曇り時々晴れで水温は14℃、数日前の雨の影響か水量もちょうどよくて期待がもてそうな雰囲気。まずはパイロットとしてチャートカラーのCD3を選択。30mmというサイズはまさにバッタサイズですぐに反応があり、まずは20cm前後のイワナをキャッチ。
次のキャストで同じポイントから15cmクラスを追加。サイズアップすべくルアーを50mmサイズに交換、チャートカラーのスローシンキングミノーを対岸際の緩みにある流れと平行に横たわった倒木を沿わせるようにドリフトさせます。すると大きなイワナがヌヌッとチェイスするも食い切らずにUターン。
33cmエゾイワナ登場
すかさずやや上流に再キャストして少しでも長く緩みにミノーを留めるように流すと、そのイワナがミノーを咥えるのが見えました。ミノーを抱えるように付き場に戻ろうと反転した瞬間にフッキング。カーディナルのジリジリ音とともに引き出されるラインと、ロッドに感じる重量感は良型のそれだったので、慌てずにラインテンションを維持してランディング。
入渓から5分でキャッチしたのは33cmのエゾイワナ。細かい白点を持ちやや黄色がかった茶色の体色にうっすら残るパーマークは完全陸封型エゾイワナの特徴です。
その後はコンスタントに20~25cmクラスをキャッチし別の川に移動しました。
尺上狙い場所移動
次の川は国道沿いを流れる細流で岩が多いゴツゴツとした渓相。すぐそばの国道は交通量が多く常に騒がしい環境に加え、元々の水量もあまり多いとは言えないので、魚影が濃い割りに難易度が高い川です。また小さな川にもかかわらず大物が多く過去に40cmクラスを目撃しています。ここでも陸生昆虫パターンでアプローチ、狙うは尺上クラスです。
1匹目はコンディション抜群
この沢も数日前の雨の影響で普段より水量が多くイワナには好都合な状況。3gのチャートグリーン系のシンキングミノーを浅瀬に通すと、数匹からのチェイスを確認。その中で一番大きな個体がそのままバイトしてきました。釣り上げたイワナはヤマメのような体高で丸々と太ったコンディション抜群でした。
「石化け木化け」
そのまま遡行を続け、上流からの流れが絞られ落ち込みから徐々にゆったりとした流れが広がる場所に出ました。瀬尻には先日の雨で流されてきた木が溜まっていかにもイワナが好みそうなポイントが目に付き、よく目を凝らすと護岸と沈んだ木の間に出来た深みに尺はありそうなイワナが定位していました。
深呼吸してゆっくりと静かに、姿勢を低くしながらアップクロスでキャストできる立ち位置を確保。某釣り漫画のように岩と草木に溶け込む”石化け木化け”で気配を消します。
まずはチャートグリーンのミノーをキャスト、そのイワナは着水と同時にすっ飛んできて噛み付く動作を見せましたが何と空振り。フックには気が付いていないのか警戒した素振りはなくそのまま元いた場所に戻っていきました。
そこでミノーを44mmリップレスミノー(スローシンキング)にチェンジ。色はマットブラック系で落下した甲虫を意識して付き場のやや上流にキャスト。一切のアクションなしでイワナの目の前を通すように流します。
37cm良型キャッチ
狙い通りイワナは勢いよく飛び出しミノーを咥えながら付き場に戻っていくのを確認。この瞬間ミノーは完全にイワナの口の中、すっぽ抜けないことを祈りながらフッキングを決めると、定番のあの”ガボッ!”という音とともに水面が爆発。イワナは倒木下に潜ろうと頭を振りながら走ります。
ロッドを立ててダッシュをいなしながら岸に寄せてランディングネットで確保。側線にうっすらとパーマークを残し背中には薄い緑色の唐草模様を持ち、尾鰭の付け根までしっかり太い素晴らしい魚体。早速計測すると37cmと狙い通りのサイズ。いつまでも眺めたい気持ちを抑えつつ手早く撮影しリリースしました。
何回釣っても飽きない魚、それがイワナ
イワナをリリースした後、まだ時間はありましたが十分満たされたのでそのまま帰路につきました。既に初春から夏まで大小数えきれないほどのイワナを釣ってきましたが飽きるどころか釣る度にその魅力に惹かれる一方です。
<小峠龍英/TSURINEWSライター>
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