今夏の大阪南港の釣りは、低調だった。非常に海水温が高く、酸欠で死んだ魚も多く見られた。回り物も壊滅的で、いい話を聞かない。唯一反応したのはチヌくらいだが、それも薄かった。今後への希望も込めて、8月の大阪南港の海を振り返りたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
高水温で魚もバテバテ
今年も暑い夏だったが、実は最高気温は2018年度の猛暑を超えていない。では何が暑かったかと言って、「暑い期間」が長かったのだ。梅雨前から30℃を超す日が続き、真夏日がほとんど現在9月まで3ヶ月以上続いている。私の印象では、6月からまったく釣れなくなった。それまではシーバス、メバルが動いている海だったのだが。
アジが好例なのだが、海の沿岸の魚は海水温が25℃を超すとまったく食わなくなる。湾奥のターゲットでこの高水温でも活性が高いのはチヌくらいなのだが、さすがに今年は暑い期間が長すぎて後半へばったのか、チヌも食い渋った。
また私の印象では、カサゴさえも食わなかった。チニングついでにボトムをトントンしているので釣れてもいいはずなのだが、大阪南港での今夏のカサゴの釣果はゼロである。
高水温、最高28℃前後だ。また潮通しの悪い湾奥、これでは釣れなくても仕方ない。
まさに死の海?
おそらく大阪市内のアングラーは、まさしく「死の海」というべき、今夏の魚の死に様に絶望感を覚えたのではないか。毎年恒例ではあるが、夏の潮回りでは、かなりの魚が命を落とす。釣り人に釣られて衰弱死するのもいるかもしれないが、どうやら、高水温になると、魚は海中で酸欠になるらしいのだ。
夏場、日照時間が長くなると、光合成によって増殖する植物性プランクトンが海中を埋め尽くす。それによって酸素の消費量が増えてしまい、より多くの酸素を必要とする魚が死んでしまう。
有望な場所は?
いわゆる「死の海」状態はいつまで続くのだろうか?
私の印象では、おそらく11月までは厳しいと思う。9月になってようやく少し朝夕の熱がマシになってきているが、海水温は気温の1ヶ月遅れだ。残暑を終えて、10月にしっかりと涼しくなってきてから、徐々に海水温が下がり始め、あらゆる魚のベイトであるアジが入ってから、少しは海が動き始めるだろう。
釣り場としては、大阪南港では随一のシーサイドコスモが回遊魚では有望である。PEライン0.8号にメタルジグ30gで軽く底が取れるので、ライトショアジギングがてら、ジグサビキをつけてやるといい。かもめ大橋もいいだろう。ただどちらもそこそこ根が粗いので(しかも潮回りによって根の地形がかわる)、メタルジグのリアフックはとった方がいい。
大阪南港は衰退の一途
大阪南港は年々釣り禁止の場所が増えている。筆者の考えでは、もしかすると万博を機に全面アウトになるかもしれない(もちろんそうなってほしくない)。
また最近の湾奥周りは非常に工事が多く、それによって潮が当たらない箇所が増えてきている。タチウオの回遊もこの3年ほどない。おそらく、沿岸は「池のような海」になってしまうだろう。南港で釣るならば、渡船を使った方がいいかもしれない。
ブリームゲームに期待
今夏の南港では、チヌだけが多少は食った。しかし、例年と比べると反応が薄い。またパターンが不明で、これまで食っていたワームに食わなくなったりしてきた。小型が多いのも特徴的だ。こうなってしまうと難しい。
しかし残暑が伸びていて、これから涼しくなっていくにつれ、夕方はむしろ釣りやすくなるかもしれない。私の知る限り、夕マヅメのヒットしかないような状況なので、南港のチニング・ライトブリームアングラーのみなさんは、夕マヅメの足元を狙ってみてほしい。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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