【これは極上!黄色く染まる梅雨のアジ】アジ

【これは極上!黄色く染まる梅雨のアジ】アジ

東京湾のアジ釣りが盛期に入った。

アジ科の魚類としては珍しく、周年狙えるのが特徴だが、この時期は浅場で安定して数釣れるだけでなく、脂が乗って食味の点でもピークを迎える。

大アジよりも中アジ!味にこだわる義和丸

ナギに恵まれた5月中旬、三浦半島新安浦港の義和丸へ。

横浜以北の湾奥エリアは軽いタックルのライトアジが主流だが、湾口に近く速潮の中で釣るケースもあるこの辺りでは、130号のアンドンビシを使った伝統的なスタイルで狙う。

それにしても東京湾のアジの安定度の高さには驚かされる。

渋い時期でもそれなりに、ピーク時になれば連日の好釣果。

そんな状態がかれこれ20年ほど続いているのだから恐れ入る。

たぶん「アジなんて釣れて当たり前」と思っている人が多いことだろうが、現在のような釣れっぷりがこの先も続くと思ったら大間違い。

もちろんそれが来年か10年後かは分からない。

ただ、後になって後悔しないよう、今のうちに楽しんでおこう。

義和丸の釣果情報を見てもトップ50尾を超える日が多く、取材日からさかのぼってみると42、60、52、49、71、60、77尾・・・と続く。

しかもすべて半日釣りの釣果、日によっては悪天候に見舞われたりしたことも考えれば、まさに驚くべき数字である。

7時20分、村上優輝船長の操船で出港。

乗船者は8人。

北寄りの風が強めに吹く中、10分ほど走ったところで猿島北沖のポイントに到着した。

例えばタチウオなどは、同じポイントに全船が集結することも珍しくないが、アジの場合は群れごとにポイントがいくつも点在する。

アジのサイズも群れごとに違い、ひたすら大型を狙う船もあれば、浅場で中型の数釣りを得意にする船、中小型でお土産を確保してから大型に転戦する船・・・と同じエリアながら乗客のニーズに応じて様ざまなスタイルが存在するのも大きな特徴。

で、義和丸はというと、浅場での中アジ狙いがモットー。

理由は22~23cmクラスのアジが食べて最もおいしいから。

大きさよりも食味を最優先しているわけだ。

当日は大潮で満潮が4時36分、干潮が11時22分(横須賀)。

つまり下げ潮がガンガンに効いているタイミングなのだが、ポイントが岸寄りのせいか、思ったほど潮は速くない。

水深も40mと浅いので、130号じゃなくても釣りは成立するはずだが、重は軽を兼ねるという原則に則って、いつもどおりの釣りが始まる。

釣行の写真

本命は、地先のポイントに群れる居着きの中アジ。時合には一荷やトリプルでバリバリ釣れる。

釣行の写真

(左)アンドンビシは船宿ごとにこだわりがある。慣れるまではレンタルしたほうがいいだろう。(右)コマセはイワシのミンチ。アジにこだわる船宿は、挽き方も微妙に違うようだ。

アンドンビシは船宿で借りるべし

その昔、アジのビシ釣りは手釣りが常識。

後に竿釣りが台頭して現在にいたるわけだが、その竿も1.2~1.5mのアジビシ専用竿から1.8~2.1mの万能ロッドへと主流が移った。

取り回しと操作性に優れ、コマセもビシッと振り出しやすい極先調子の専用短竿より、口切れのバラシを防止するやや長めの竿が支持されている。

調子は7:3が無難なところだろう。

リールは中小型の電動タイプが多用されているが、この水深なら手巻きでもなんら問題はない。

アンドンビシは前述のとおり130号が標準。

金属製、プラスチック製、網目、横目と色いろ種類があるが、重要なのは目の大きさだ。

適量のコマセを思いどおりに放出するにはこれが決め手になる。

ただしコマセにするイワシのミンチは、船宿によって原料も粒の大きさも微妙に異なるため、一概にどれくらいの目の大きさがいいとはいえない。

したがって、まずは船宿のレンタルを使ってみるのが得策だろう。

「いいですよ、タナ3mでやってください」のアナウンスで釣り開始となる。

かつてのビシアジ釣りは、アンカーを入れてのカカリ釣りが主流だったが、近年はエンジンをかけたまま、操船で同じポイントに留まるスタイルが一般的になった。

私の釣り座は左舷ミヨシ。

北寄りの風で下げ潮だから、まいたコマセはミヨシからトモへと流れていく。

つまり潮が速ければ速いほど、トモ寄りが有利になるはず。

しばらく見学を決め込んでいると、真っ先にリールを巻き始めたのはトモではなく、右舷ミヨシの常連さん。

取り込んだのは22~23cmの食べごろアジ。

たまたまでないとすれば、これはさぞかしウデの立つお方に違いない。

さっそく隣に座って教えを乞うことにする。

ちなみに一般的な釣り方は、投入した仕掛けが着底したら、糸フケを取って2mほど巻き上げる。

ここでコマセを振って、さらに仕掛け全長の半分、つまり1m上げてアタリを待つ。

しばらく待ってアタリがなければ1m下ろし、コマセを振って1m上げて再びアタリを待つ。

これを3回繰り返して反応がなければ回収してコマセを詰め替える。

もっとも、これは潮が効いていないか、緩い場合の話。

適度に流れているときは、ビシがやや離れた場所に着底するから、底ダチを2~3回取り直し、ビシが真下に戻ったことを確認してから同じ作業に移ればいい。

釣り具の写真

竿は7:3調子でオモリ負荷の上限が100~120号あたり。ライトゲーム用を含む汎用ロッドからセレクトできる。

釣り具の写真

(左)支給されるエサはアカタン。イカを赤く染め、米粒大にカットしたもの。(右)2~3本バリにチョコンと引っ掛けてエサ付け完了。

釣り具の図

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アジ釣りのイメージ

釣行の図

釣行の図

名人に学ぶ電動コマセ釣法

ところが名人の釣りを見ていると、竿を上下してコマセを振るという動作がない。

ご本人いわく「どうも皆さんコマセをまきすぎる傾向にある」とのこと。

たくさんまけばそれだけ飽食するのも早く、アタリも遠のいてしまう。

また、潮が速ければ、流れ去るコマセとともに、アジの群れが船下から消えることもある。

とはいえ、まったくまかないわけにもいかない。

そこで名人は、底ダチを取ったら電動リールを一気に高速で巻いてタナに合わせるのだという。

同じコマセカゴでもサニーカゴのようなプラスチックの円筒形のタイプは、竿を上下に振らないとコマセが放出しないように設計されているが、アンドンビシの場合は、単なる上げ下ろしだけでも自然にポロポロとコマセがこぼれてくれる。

高速で巻き上げるとその水圧で、竿を振らなくても縦のコマセの帯が形成され、自然と付けエサがその中に入るというわけ。

なるほど、そういう手があったかと自席に戻り、教わったとおりにやってみる。

ガーッと巻いて3mのタナに合わせてアタリを待っていると、しばらくして竿先にクンクンとアジ特有の繊細ながら明確なアタリが出た。

仕掛けはハリス2号2mの2本バリと3本バリを用意していたが、ここなら3本バリで間違いない。

ただし、混雑時や強風下など、オマツリが予想されるときは、中アジ主体の釣りでも2本バリにしたほうが賢明。

追い食いを待たずに巻き上げると、22~23cmのアジが海面に浮いた。

ちなみにこのサイズのアジは、最初にクンクンとアタリがあっても、その後はジッとしているケースが多い。

アタリを見逃すと無駄な時間を作ることになるので、多少の集中力は必要だ。

最初は単発で取り込むことがほとんどだったが、やがてコマセが効いてアジの活性が上がってきたのだろう、その後はダブル、トリプルが目立つようになってくる。

しかし、そんな入れ食い状態も1時間ほどすると徐々に収まってくる。

コマセの飽食が原因かは定かでないが、アタリが遠のきかけたのを機に、船はやや北に移動して別の群れを探すことになった。

水深は同じ40m。

再開後、しばらくすると食いは復活したが、これは一時的なもので、またもアタリが遠くなっていく。

これはコマセでアジが満腹になったのではなく、潮止まりが近づいて潮が効かなくなったためと思われる。

釣行の写真

底からタナまで高速で巻き上げる右舷ミヨシのベテランさん。これでほどよくコマセが効くという。

高位安定を実感だれもが幸せになれる釣り

そこで10時40分、船は少しは潮の動きが残っているであろう沖目を目指して移動。

しばしの航程で到着したのは第三海堡跡の周辺である。

水深は45m。

開始まもなく、名人にアタリ。

取り込んだのは30cm級の大きなアジ。

それまでの中型に比べると、2回りも3回りもボリューミー。

引きや重量感も数段上だ。

全員、中アジである程度のお土産は確保していたから、この展開はうれしい限り。

釣趣と食味、両方を堪能できたわけだ。結局、最後の小1時間を大アジ狙いに費やし、平均3尾ほどを追加して11時半に沖揚がりを迎える。

釣果は18~35cmのアジが1人22~52尾。

今日も高位安定の成績を収めることができた。

とにかく、出船さえすれば、まず外さないのが今の状況。

義和丸は午前、午後の半日釣りで出船していて、短時間の釣りにはなる。

ちょっと物足りないかなと思う向きもあろうが、ポイントは近いし、この手堅い釣況を考えれば、時間は短くても釣果は十分期待できる。

しかも料金は6000円とリーズナブル。

コスパ面、効率面ともに満足いく優秀な釣り物であることは間違いない。

7月以降は午前船がタチウオに切り換わる可能性もあるが、午後は引き続きアジ狙いで出船する予定だ。

釣行の写真

ボディから尾ビレまで黄色く染まった中アジが3点掛け。

速潮時の釣り方

東京湾口の海域は日によって下げ潮が川のごとく流れ、ビシが浮いて釣りにくいこともある。

底が取りたいばかりにどんどん道糸を出すとオマツリ必至、釣りにならない。

そんなときは図のようにベタ底近くからチョコン、チョコンと断続的にコマセを振って、仕掛けが浮いていく間にアジを食わせる。

2回くらいこの操作を繰り返して食わなければ、コマセを詰め直して再投入する。

釣行の図

CHECK!小さな手網のすすめ

ビシアジ船でよく目にするのが、小さな手網。

バケツやタルに泳がせたアジをクーラーへ移すときに使うために持参する。

たいていは沖揚がりや移動のタイミングで行う作業だが、早めにクーラーへ移したほうが鮮度よく魚を持ち帰ることができる。

その作業を効率よく行うには、手網をバケツの口に被せておき、アジが釣れたら網の上でハリ外しを使って魚を外す。

そして2~3尾たまったらその都度クーラーにポンと移す。

そうすれば魚に触れることなくスピーディーに保冷できる。

釣行の写真

海水を張ったバケツに手網を被せ、そこにアジを落とす。

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【隔週刊つり情報(2021年6月15日号)※無断複製・転載禁止】



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