「道具はないけど魚釣りを始めたい!でも釣り堀は自然っぽくないから嫌だなぁ」、そんな方にお勧めなのが海釣り施設。海釣りデビューにピッタリなので、詳しく解説していく。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部 小谷)
海釣り施設とは
海釣り施設は、有料の施設であれば大体管理棟や売店があるため、レンタル釣具を利用できるところが多いことが特徴。場所によっては発泡クーラーもおいてあるので、ほぼ手ぶらで行くこともできる。
釣りに詳しいスタッフが常時いるので、分からないことがあればすぐに聞ける環境、というのが初心者にはうれしい。
ただし、基本的には自然の一部を利用しており、網が張った中に魚を放流しているわけではないので、必ず魚に出会えるかといえば否。どんな名人でも一日竿を出していても魚が釣れない日はあるもの。魚からの反応が得られない日も少なからずあるので、たとえ釣れなくても「潮風に吹かれながら非日常感を味わいに来た」、と割り切ったうえで出かけよう。
無料の海釣り施設というものもあるが、その場合は釣具レンタルができないこともあるので注意しよう。
施設の種類
大きく分けて、岸壁タイプと桟橋タイプの2種類がある。どちらかだけ、もしくは両方備えた施設もある。
堤防との違い
海釣りができる「堤防」は漁協関係者や行政の好意で開放されているもので、釣り人専用の施設は基本的に設置されていない。トイレや駐車場は公共の施設を使わせてもらっているという意識が必要になる。
また、場所により釣り禁止区域が設定されていることもあるので注意しよう。堤防は入場料はかからないものの、釣り具をレンタルするとなれば、近くの釣具店等があるか、レンタルができるかを確認する必要がある。事前にコンビニ等の場所もリサーチが必須だ。
対して、有料の海釣り施設は釣り人向けに整えられているため、道具類に関してはほぼ手ぶらで行ってもまかなえることが多い。
岸壁タイプのほとんどは、大人が立って竿を振るにはちょうどいいくらいの高さがある転落防止用の柵が設置されており、落水の危険も抑えられている。
また、沖に桟橋があるタイプの海釣り施設と堤防の違いは明確で、岸からでは届かない位置にいる魚を狙えるのが一番の利点。
大体の施設が桟橋側の水深が深く、足元を探っていてもよりいろいろな種類の魚がヒットする可能性がある。ちなみに桟橋と岸壁の両方がある海釣り施設の場合だと、桟橋のほうが先に人が埋まる傾向があるので、桟橋で釣りたい場合は早めに行くことを勧める。
海上釣り堀との違い
岸から少し沖に筏や桟橋で囲って網を張り、その中に魚を放流して釣らせるのが海上釣り堀。一番の利点は、持ち帰りができる魚はマダイや青物(ブリ)など豪華になること。ただし、料金的にはお高めになる。場所によっては釣れなくてもマダイ1尾をサービス、なんてところも。
海釣り施設はあくまで自然の一部を使う形になるため、魚が釣れなくても釣りをじっくり楽しみたい人向けになる。
海釣り施設の選び方
では、実際どの海釣り施設に行くかを決めてみよう。
場所から選ぶ場合
まずは車を使うのか、電車を使うのかによっても行ける場所、行けない場所が出てくる。個人的には片道2時間以内を目安にするのがオススメ。一日通しで竿を出した日の疲労は相当なもの。車の場合は、想像以上の疲労が出た状態で運転をしなくてはならない。
まずは短時間で雰囲気を確かめるのもいいと思うので、家からアクセスしやすい施設を探そう。せっかく行くのであれば、桟橋があるところへ出かけたほうが、まさに海の上で竿を出せるので、非日常感を味わえる。
料金から選ぶ場合
まず、海釣り施設の名前で検索すると、HP上に必ず「料金」の記載がある。大人だと一日500~1000円くらいが大体の相場。
場所によっては、竿は出さない代わりに安価で入場ができる見学券のような入場券が発券されていることもあるので「お母さんは竿を出さないけど子どもととお父さんが竿を出す」みたいなケースを想定されている場合は、このような見学券があることを基準に施設を探すのもOK。
また、釣具のレンタルを前提とする場合、その料金まで記載されていることは少ない。一口にレンタルといっても、料金内にすべて含まれているセットもあれば、竿とリールだけで仕掛けやエサは別途購入が必要だったりすることも。時間も丸一日借りられるものから、3時間のように区切られていたりと施設によって違いがある。
施設と売店の管理者が別になっている場合、HP上だけだと確認しきれないときもある。トータルのコストを極力抑えて挑戦したい場合は、どのくらい釣りをする時間を取るのか検討したうえで施設に問い合わせてみよう。
施設の充実度から選ぶ場合
施設内の充実度は千差万別なので、「施設に何があるのか」という観点から選ぶのもいい。休憩所や売店、場所によっては食堂も併営されているところもある。
女性や子どもと出かける際に重要視すべきなのは「きれいなトイレ」と「休憩所」があるかどうか。
前者に関しては、施設によっては電気がうっすらとしかつかない公衆トイレ的なものから、ウォシュレット完備みたいなところもあり、実際に行ってみないと分からないことが多い。これはなかなかホームページだけだと確認できない内容なので、口コミサイト等を参考にするといい。
後者に関しては、釣りに飽きたり体調が芳しくないときの逃げ場として重要。熱中している間はいいのだが、飽きてくると普段の環境とは違うことで体調を崩しがちになる。エアコンが効いた部屋でちょっと休憩できる場所がある、というのが安心感につながる。
混雑度から選ぶ場合
有料の海釣り施設に関しては、一度に入れる人数が決まっていることが多い。誰かが帰ると、その人数分入れ替えを行う形なので、人が帰らない限り入場できない。一日中施設内にいる人もかなり多いので、ずーっと待たされる可能性もあるし、直前で満員になってしまった経験も実際にある(その時は1時間以上待った)。
いい時期の人気施設になると、朝の入場開始時間で9割くらいの人数に達していることも。コロナ禍で上限人数を減らしていたり、朝だけ予約制にしている施設もあるので、事前に必ず調べよう。
釣れる魚から選ぶ場合
その施設のHPで釣果情報を見て、何が釣れているかを把握しよう。例えば「アジを釣りたい」といった場合に、釣果情報で釣行予定日までの数日間、アジが1尾も釣れていなかったら期待薄。逆に釣果情報でたくさん釣れていればチャンスととらえてOK。
その時、もしざっくりとした釣れた時間帯の情報も書いてあったら、それも参考にして、その時間に竿を出せるように釣行しよう。
釣り方から選ぶ場合
レンタル釣具を使う場合はほぼエサ釣りに限られるが、マイ釣り道具を持っている場合は、ルアー釣り等ができる施設もある。ルアーが使える施設では、大きなシーバス(スズキ)や青物が狙えることも。
ただし、入場人数が多いと釣り方に制限がかかったり、投げ方がアンダースロー(下投げ)限定だったり、いろいろな縛りがあることが多いので、事前にルールを調べよう。
前日までに確認すること
前日までに天気の情報は必ず確認。せっかくの海釣り施設デビューの日の、竿を出す想定の時間帯がどんな天気か、海釣り施設がある地点の天気予報を必ずチェックしよう。
「住んでいる地域が晴れだからと予報を見ないで出かけたら、現地に着くと雨だった」なんてことは経験としてざらにある。片道2時間の範囲で行動しても、住んでいる地域の天気とは大幅に異なるので気を付けよう。
さらに釣りやすさを求めるなら、風と波の状況もチェック。風が強いと、仕掛けが投げづらかったり、釣り糸が絡まってトラブルが続発しがち。また、波が大きいと、アタリ(魚がエサを食べたことが竿や糸に伝わること)がわかりにくくなったり、岸壁でも水しぶきをかぶったりすることも。
どうしても風が強い日に出かけたい場合は、その風が追い風になるであろう釣り場へ出かけよう。当日の天候や風、波の情報が知りたい場合は、などのページも活用を。
持ち物
海釣り施設に持っていくと良いものを紹介しよう。
服装
服装は汚れてもいいものを選ぼう。海釣り施設デートだったとしても、女性はスカートはやめておいたほうが無難。エサを付ける時や仕掛けを触っているときにハリが服に引っかかってほつれてしまったり、釣った魚が暴れて濡れたりすることも多く、おしゃれ着だと汚れてしまって精神的なダメージがデカい。
個人的には日焼け対策として暑くても肌を露出しないよう長袖がオススメ。また、晴れていてポカポカと暖かい日でも、急に雲って風が吹きだすと想像以上に寒くなる。これの対策として、一枚羽織るものを持っていくと安心。
また、帽子も必ず着用を。こちらは日除けの意味のほか、頭の防具としての効果がある。自分が注意していても、同行者や隣の人の仕掛けが思わぬ形で飛んでくることもあるので、たとえ日差しがない日でも、危険防止の意味で必ず持参しよう。
日焼け止め
海からの照り返しは想像以上。夏場は特に日焼け対策は必須なので持参を。
絆創膏と消毒液
慣れている人でも、エサ付けや魚からハリを外すときに釣り針が指に軽く刺さってしまうのは日常茶飯事。管理棟で応急処置をしてもらえることもあるが、持っていて損はない。
汚れていいタオル
エサや魚をつかんだりするときにも使える。そのまま捨ててしまってもいいような、ボロボロのやつでOK。
水汲みバケツ
ポリエチレン製が多い、取っ手&ロープ付きの折り畳みバケツのこと。釣り後の片づけの際や、簡易的な手洗い、釣った魚と最近は百円均一で釣具コーナーが充実しており、そこで購入もできるので、こちらは持参を勧める。
ゴミ袋
レジ袋サイズでいいので、自分たちで出したゴミをまとめておけるものがあるといい。コロナ禍でゴミが捨てられないところもあるので、持ち帰る可能性も視野にいれておこう。
メゴチバサミ
トングのような見た目の魚をつかむ道具。触ってはいけない毒魚が多い釣り場だと、あると便利。
クーラーボックス
釣った魚を鮮度よく持ち帰るためには早めに冷やす必要があるため、クーラーは持参を勧める。全体を冷やす必要があり、大は小を兼ねないため、大きさは10L以下の小型のもので十分。
万が一そのサイズを超える大きな魚が釣れてしまった場合やより多く持ち帰りたい場合は、現地で発泡クーラーを購入しよう。
クーラーを持参する際は、家でペットボトル氷を作って一緒に入れておき、飲み物も一緒に入れておけば購入した釣り場でキンキンに冷えた物が飲める。帰りまでに氷は解けてしまう可能性もあるので、夏場は追加の氷が購入できるかも事前に確認しておくと良い。
事前に用意できなかったり、追加購入できない場合は、行きと帰りのコンビニでお酒用のロックアイスを買う、という方法もある。
飲食物
施設に入っている売店によって購入できるものもさまざま。場所によっては食堂が入っている施設もある。ただ、しっかりとしたお弁当が売っているところは少ないので、食べたいものがある場合は施設に入る前に事前に購入しておこう。
釣具&エサ
釣具は基本レンタルで問題ないが、貸し出し時間や仕掛けの種類が決まっていることもある。どんなに長くても閉園1時間前には返却するものと思っておいたほうがいい。
エサは現地購入で基本的にOK。ただチョイ投げ釣りなどで使う青イソメ(海釣りでポピュラーなエサの一種。パっと見はミミズみたいな見た目)などの虫エサを使う場合に、生きの良さを優先したい場合は事前購入したほうがいいこともあるので気になる人は釣具店等で購入してから行こう。
ライフジャケット
万が一の落水時に備えて着用するのがライフジャケット。施設によっては無料で貸し出しがされていたり、子どもは着用を義務化されている場所も。持参する必要があるかはあらかじめ調べておこう。
荷物の持って行き方
海辺は風が想像以上に強い。軽いものが飛ばされてしまうこともしばしば。なるべくコンパクトにまとめて管理できるようにしよう。バッグも服と同様、汚れていいものを持っていこう。最近は防水性能のかなり高いバックやリュックが売っているので、濡らしたくないものが多くある場合は持参するといい。
きっちり準備していても実際には釣れないことも正直多いのだが、それは自然相手だから仕方のないこと。非日常感を存分に味わって、のんびり釣りを楽しんでほしい。
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<小谷/TSURINEWS編集部>
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