冬将軍到来の声を聞くと、一気に盛り上がるのがベイエリアだ。そう、根魚(ロックフィッシュ)シーズンの開幕なのだ。今回はそんな根魚ゲームについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
狙える根魚の種類
根魚といっても、たくさんの魚種がいる。その中でも最も身近で数が多く、ポピュラーな魚がカサゴだろう。冬場の低水温に強く、目の前にきたエサにはどん欲に飛びつくので、そこにカサゴがいればよほどの悪条件でない限り、簡単に釣れてくれる。
続いてはタケノコメバル。こちらはベッコウゾイともいわれ、カサゴよりも大型化する。筋肉質な体を持ち、ハリに掛かった後の最初のパワーダッシュは、カサゴをはるかにしのぐ。
ムラソイもベイエリアに多く見られる魚。北関東ではムラソイ専門の乗合船もあるほど人気で、ゴロタなどにも多く生息している。
他にも三重県南部や和歌山県の南部に行けば、ハタ類が一気に多くなる。ここ10数年で数が一気に増えたアカハタやオオモンハタ、最近では温暖化の影響か、チャイロマルハタやヤミハタ、ルリハタ、アザハタなどが釣れたという情報もある。
ハタ類を根魚としてカテゴライズするには若干の抵抗があるのだが、その理由は捕食の形態による。カサゴ類は障害物の影に潜み、近くを通るエビや小魚を食べる待ち伏せ型であるのに対し、ハタ類はエサを見つければ自分から追い回して捕食する追跡型。その距離は想像以上に長く、水深の半分程度まで浮くこともある。
また、オオモンハタなどは回遊するベイトに着いて、かなりの距離を移動するため青物のような性質を持っている。このことから釣り方にも違いになって現れるため、今回の解説からは外しておきたい。
タックル
さて、根や障害物にタイトに着くロックフィッシュだが、アジやメバルを狙うときとは違いパワーという要素が重要になる。
ロッド
専用ロッドというものは種類が少ないため、普段バスフィッシングを楽しんでいるならMLクラスのバスロッド、エギングメインの人なら秋イカ用の少し軟らかめのエギングロッドが流用できる。他にもチニングロッドや強めのアジングロッドなども使える。
リール
合わせるリールは、2000~3000番のスピニングだが、ベイトロッドならベイトリールでも問題はない。
ライン
ラインはPEラインの0.6~0.8号。この太さなら引っ張り合いでまず切れることはないが、PEラインは極端に擦れに弱い。そこで必ず先端にショックリーダーを接続する。擦れに強いフロロカーボンのリーダーを1ヒロ程度取り、PEラインと摩擦系のノットで接続する。
ルアー
ルアーはジグヘッドリグが最も使いやすい。メタルジグでもいいが、根掛かりのリスクが高くなるので、あまりお勧めできない。ジグヘッドの重さは1~5gを目安。根掛かりしにくい形状のものが理想だ。それでも根掛かりは避けられない釣りでもあるので、ジグヘッドの予備は多めに準備しておこう。
ワームはジグヘッドのフックの大きさとバランスの取れるものを選ぶ。尻尾がまっすぐなピンテールや半月状に曲がったカーリーテール、エビやカニを模したホッグ系などがある。食いが渋いときに使用してほしいのが、生分解素材でできた味やにおい付きのワーム。パワーイソメなどは、エサとしても使えるほどで柔らかい素材のため、食い込みは抜群にいい。
エサで狙うなら、タックルは同様で胴つき仕掛けが一般的。テトラ帯ならブラクリでもOKだ。
中部圏のフィールド
中部圏で最も釣行しやすいのが、名古屋港や四日市港などのベイエリアだろう。西3区や9号地は抜群にロックフィッシュの魚影が濃く、足場もいい。四日市港では第1~第3ふ頭の各岸壁をはじめ、霞ケ浦ふ頭も好ポイントだ。
三河方面では一色漁港や碧南港、渥美半島の伊良湖港や赤羽根港もお勧めポイントだ。
他にも冬場は釣り人が激減する日本海エリアも面白い。春先の雪解け水が流入するまでは、安定して楽しめるエリアだ。
根周り&壁が狙い目
根魚というからには、狙うのは当然根周りとなる。彼らは常に障害物の周りに居着いており、そこからあまり離れることはない。ではその障害物とは何なのか。底に沈んでいる岩や瀬などがそうだ。
それと忘れてはならないのが、岸壁の壁。え?と思った人もいるかもしれないが、岸壁に付着したカキ殻やフジツボなどはれっきとした障害物であり、根魚たちが身を隠すには絶好なのだ。
根魚狙い=底狙いは決して間違いではないのだが、立体的に考えれば岸壁の壁も底と同じ。壁に着くもの全てが、根魚には格好のすみかになるのだ。したがって岸壁にタイトに攻めることができれば、高確率で反応を得ることができるはずだ。
リフト&フォールで誘う
ルアーをキャストしたらまずは底まで沈めるので、必ず底が取れる重さのジグヘッドを使うようにしよう。
底を取ったら、最も簡単なアクションがリフト&フォール。ルアーを持ち上げて落とす、持ち上げて落とすの繰り返しだ。根魚は上から落ちてくるものに強い興味を示す。持ち上げる高さが高いほど、この誘いは効果的になる。
アタリはフォールさせた後の着底と同時に出ることが多い。PEラインを使っていれば、着底即ヒットのアタリが取れるはず。手元にコツンとくるのがそうだ。すかさずアワせて一気に巻き上げよう。
岸壁際を攻める場合は底まで落とすのだが、そのフォール中に細心の注意を払おう。障害物沿いにルアーを落とすのだから、いつ魚が飛び出してきて食いつくか分からないのだ。
強引に根から引き離す
ヒットしたら最も大事なことは強引さ。アワセを入れたら、とにかくゴリ巻き。一気に障害物から魚を引き離すイメージで力勝負を挑もう。
根魚はエサを捕えたら自分が元いた根に戻ろうとする。そのパワーは想像を越えるぐらい強い。根に入られたら、その魚をキャッチするのは困難を極める。
万が一入られたらラインを張らず緩めずにして待ち、魚が動く感触が伝わってきたら一気に巻いて根から引き離す。どれぐらい待つかはケースバイケース。釣り人と魚の根比べだ。
マナーを守ろう
今回紹介した釣り場のベイエリアは、本来工業港であり釣りをするための施設ではない。港湾関係者の好意で釣り人が釣りできるのだ。そのことを頭に入れ、迷惑駐車やゴミの放置などは絶対にしないようにしていただきたい。
すでにコロナ禍での釣りブームで釣り人が激増し、各地でマナー問題が起こっている。ベイエリアでも例外ではなく、一部では釣り人締め出しの動きもあるとか。これ以上、釣り場がなくならないよう、1人1人がルールやマナーを守って楽しんでほしい。
小型魚はリリースを
また根魚はおいしい魚である反面、成長スピードが遅く釣り荒れが早い。実際人気のメジャーポイントでは、10cmに満たないようなカサゴしか釣れない……という話もよく聞く。
過剰なキープは控えて、持ち帰るのは食べる分だけにしておきたい。また資源保護のため、小型魚や抱卵した個体はリリースをお願いしたい。
また冬の夜の海は、かなり冷え込む。防寒対策は万全にし、冬のロックフィッシュゲームを楽しんでいただきたい。
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<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
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