秋本番・がまかつ南康史流~磯チヌフカセ

秋本番・がまかつ南康史流~磯チヌフカセ

数あるエサ釣りの中でも根強い人気を誇るチヌ(クロダイ)のフカセ釣り。

チヌは、北海道から鹿児島まで全国のほとんどのエリアに生息する身近な魚で、釣り方も磯釣り、ヘチ釣り、落とし込み、ダンゴなど様々な釣りで狙えるのも魅力。

近年はルアーでも狙えるようになった。

今回はその中でも磯釣りの名手である南康史さんによる磯フカセゲームをご紹介する。

南康史

前人未踏、G杯チヌ選手権通算最多4勝を誇り、「キング」の異名を持つ。

無敵のカリスマチヌトーナメンター。

独特の大型円錐ウキ0号『MINAMIチヌスペシャル』に軽量・繊細な仕掛けをセットし、チヌを浮かせて数釣りに持ち込む攻めの釣りが必勝パターン。

がまかつ・マルキューフィールドテスター。

秋のチヌ釣り

秋は釣りにとってハイシーズンだと思う人もいるだろう。

それは多くの場合間違いではない。

しかし、チヌ釣りにおいて秋という季節は、サイズはおろか1尾を獲ることさえ容易ではない季節なのである。

なぜなら、主にエサ取りと呼ばれるフグやベラによって、サシエが狙いのタナに到達するまでに全て食べられてしまうのである。

そこで、今回の取材も、なんとか1尾を、という思いで臨まざるをえなかった。

初秋の岡山県下津井エリア、まさかのハプニング

朝6時半に岡山県倉敷市下津井から出船。

30分ほど走ったところにある大槌島を目指した。

足場が広く、撮影クルーが多かった今回の撮影にはもってこいの場所だった。

しかし島に近づくと、一行が事前に打ち合わせしていた磯場に先行者が2人もいたのである。

「この時期にフカセ釣りでここに乗る人はほとんどいないのにねぇ」と毎日渡船で釣り人を渡している船長も、驚きの反応を見せていた。

そこで、大槌島よりほど近い隣の小槌島に乗ることになった。

南さんのタックルセッティング

午前7時半、南さんがフカセ釣りの準備を始めた。

低番手のチヌ竿、2号の道糸にナイロン1.5号を2ヒロ弱、鈎は2号のナノチヌフカセ、南流スタンダードにもなっている軟らかい竿に小鈎というセッティングである。

軟らかい竿を使うのは、磯場や根周りではハリスを擦られることも多いが、竿の軟らかさで衝撃を和らげ傷ついたハリスをカバーし、ハリス切れを回避するためである。

また線形の細い小鈎にすることで刺さりやすく、鈎を飲み込ませて喉の柔らかい部位に掛けることができるというメリットがある。

では、南さんはどのように鈎を選んでいるのか。

釣行の写真

「ライフジャケットの胸ポケットに常に3種類ほど入れているんだけど、その中で手にたまたま取れたものを使うんだよ(笑)」とのこと。

撮影当日は「ナノチヌフカセ」、「丸のみチヌ」、「チヌエース」が入っていたが、キングともなれば釣れる鈎のほうから寄ってくるのだろうか。

と思ったが「もちろんがまかつの鈎ですから、製作段階から徹底的にテストを重ねているからこの3種類ならどれを選んでも間違いないですよ」とのこと。

なるほど、南さんが言うと説得力がある。

がまかつ(Gamakatsu) バラ ナノチヌフカセ フック (ナノスムースコート) 2 釣り針

Amazon、Yahoo、楽天の最安価格を見る>>

がまかつ(Gamakatsu) バラ 丸呑チヌ ナノスムースコート 2 68616

Amazon、Yahoo、楽天の最安価格を見る>>

がまかつ G-HARD V2チヌエース ナノスムースコート 68737 2号

Amazon、Yahoo、楽天の最安価格を見る>>

流れを読む力

11時に満潮を迎える大潮だった当日は、南さん曰く午後からの強い下げ潮が狙いのようだ。

渡った磯は、上げ潮では瀬戸内海の複雑な地形のため、緩やかで不規則な潮が流れていた。

朝の流れが穏やかなうちはウキからあまり離すことのないようウキの周りを囲う三角形を作るようにマキエを打つ。

手前から緩やかにかけ下がるポイントをMINAMIチヌスペシャル0号、ハリス2ヒロ、ウキ下20㎝にG7のオモリ1つという軽い仕掛けで流していく。

釣行の写真

MINAMIチヌスペシャル0号のKING MODEL。

自重があって低重心設計。

一般的なウキよりも大型でボリュームがあるので、投げやすくて潮をとらえる能力が高い、安定感抜群のチヌ専用ウキ。

南さんはウキの大小を替えたり、浮力を変更したりせずに、どんな釣り場でも0号のミナミウキをセレクトする。

釣行の写真

まずはエサ取りの様子を見るため生のオキアミを付ける。

エサ取りの活性が高ければサシエをボイルオキアミに変えたり、食いが良くなければ色付きにしたりと南さんは、おおよそ4種類のサシエをローテーションするようだ。

釣り開始時、潮が緩くウキがほとんど流れない。

たまにウキが動く反応はあるが、これはエサ取りのアタリで、すぐにエサがなくなる。

釣り開始1時間ほどで潮が上がってきた。

「そろそろマキエが効いてきたし、エサが残ることが増えたので、釣れそうだね」

釣行の写真

沖で大きな潮が右から左へ流れる中、手前から緩やかに左沖へと引っ張られる潮に仕掛けを流し、沖の本流と合流する場所。

そこにマキエが溜まり、効きだしてきたようだ。

「チヌが寄りだすとエサ取りが消えて、サシエが残りだすんだよ」と南さん。

その刹那、ウキがスッと水中に引き込まれるのを見逃さなかった。

「ほら、(ウキが)入ったよ」

鋭いアワセをきめ、ファイトする南さん。

チヌの激しい引きにも一切動じず、竿をタメてリールを巻く。

釣行の写真

根に潜ろうとする魚をうまくいなしながら驚くべきスピードで寄せ、40㎝ほどの丸々と太ったチヌをランディングに持ち込んだ

釣行の写真

「喉奥じゃないけどいい場所に掛かってるね」と南さん。キレイにカンヌキに掛かったナノチヌフカセ。ここに掛かると、まずバレることはないだろう

狙っていた下げ潮が効く午後

昼休憩を取り13時頃。

下げ潮が強くなると、午前中に見ていた釣り場の姿とは全く違うものになった。

釣行の写真

右から左へとアユ釣り場の急流を思わせるような流れ。

こんな流れの中で釣れるのだろうかと心配したが、南さんはいい流れになってきたねと微笑んでいた。

この強い流れでマキエを多く打つと、マキエにチヌが付いていき魚が散ってしまうので、仕掛け投入時に大きく潮上へ一度マキエを撒き、流れが当たるシモリの周りで同調させるイメージで流す。

朝からマキエを打ち、ポイントに寄せたチヌがエリアから離れないように最低限のマキエで対応するのが重要なのである。

狙いは、(上写真右下)白く波立つ裏のヨレが作りだす場所で、ヨレになる場所にはマキエが溜まりやすく魚の活性が上がる。

さらには、サシエが残れば50mほど潮下の磯場周り(上写真中央部)まで流すというのだから驚きである。

釣行の写真

13時半頃、狙いのシモリ周りでウキが入る。

強い流れの中では魚がなかなか寄ってこないものだが、竿をタメて絞り込んだままリールを巻くやり取りにより、チヌにテンションを掛け続け、流れの中でも魚に主導権を与えずに体力を奪う。

「ええ引きじゃ。でもがまかつの竿は曲げてタメるだけで魚が寄ってくるし、この流れとキツい根でもハリス切れを全く心配することなく上がってくるからファイトを楽しめるんだよ」

笑顔でファイトする南さんの竿は、大きく弧を描き、魚と喧嘩することなく、ぐんぐんとチヌを寄せてくる。

手前に来ても弱らずに、幾度となく根に潜ろうとする元気なファイトもむなしく、チヌは南さんのタモに収まった。

釣行の写真

「ええ魚じゃ」と満足げな南さん。

この日最大の43㎝であった。

釣れた魚はすべてよくエサを食べており、太った個体ばかりであった。

ここに瀬戸内海・下津井エリアの豊かさを感じることができる。

狙っていた下げ潮で1尾あがり安心した様子の南さん。

もちろんこれで満足せず、さらに次のチヌを狙う。

今度は50mほど潮下の磯場周りまで流し続ける。

ウキは途中から見えなくなるため、アタリはリールのベイルを返してラインを手で送り出しながら取る。

ラインが40mほど流れた時、ラインが鋭く走りだした。

「きたよっ」と流していた分のラインを巻き取りながらアワせた。

遠くで掛けたチヌは大きさ40㎝とまではいかないが、下げ潮のパターンを完全につかんだと確信できる1尾であった。

この狙っていた下げ潮が効き始めて、1時間のうちに3尾が立て続けに釣れた。

釣行の写真

釣行の写真

一時的に釣れた魚を活かしメッシュバッカンに入れる。魚をキープするのに便利なアイテムでぜひお勧めしたい

この日は16時あがりの予定だったため、15時半には片付けを始める。

シーズン開幕前の先取り釣行だったが、当初懸念されていたエサ取りの猛攻もなく、40㎝が3尾も混じる十分な釣果になった。

その中で良型ばかりを5尾上げた南さんは、さすがはキングという釣果であった。

利用渡船

たい公望

〒711-0927 岡山県倉敷市下津井1丁目348-5
TEL 086-479-9581

朝4時半から1人でも出航。

その後も、18時半まで1時間間隔でピストン輸送してくれる渡船屋さんで、ほとんどの島が2000円から2500円で往復が可能。



from FISHING JAPAN https://ift.tt/2ZDpUT3
via IFTTT

コメント

PR