太宰治も愛した『トゲクリガニ』は春が旬 味は本家「毛ガニ」をも凌ぐ?

近頃は都心のスーパーでもよく見かけるようになったトゲクリガニ。ころっとして小さく可愛らしいシルエットですが、その味は「本家」をも凌ぐと言われます。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

太宰治も愛した『トゲクリガニ』は春が旬 味は本家「毛ガニ」をも凌ぐ?

春が旬のトゲクリガニ

春の味覚・トゲクリガニの漁が青森県野辺地町沖の陸奥湾で始まりました。トゲクリガニは当地では「花見ガニ」とも呼ばれ、この時期の食卓には欠かせない存在です。

太宰治も愛した『トゲクリガニ』は春が旬 味は本家「毛ガニ」をも凌ぐ?水揚げされたトゲクリガニ(提供:PhotoAC)

野辺地町漁協によると、今年は海水温が低いため、例年より遅い3月下旬から4月上旬に漁が始まったそうです。今年は例年より大きく身入りが良いということです。

ここ数年同様、今年も解禁以降豊漁が続いているそうで、市場関係者の期待も高まっています。漁は5月いっぱい続く見通しです。(『春の味覚 続々水揚げ/トゲクリガニ 今年も豊漁/野辺地の漁業者 作業に汗』東奥日報 2021.4.12)

トゲクリガニとは

トゲクリガニは「クリガニ科」に属する小~中型のカニ。あのケガニとかなり近い仲間です。岩混じりの砂地に生息しており、ゴカイなどの小動物を食べているので、カレイ釣りの外道で顔を出すことがあります。場所によっては釣りのターゲットとしても注目されています。

太宰治も愛した『トゲクリガニ』は春が旬 味は本家「毛ガニ」をも凌ぐ?トゲクリガニ(提供:PhotoAC)

主に本州以南の各地で採れるカニで、東北地方での水揚げが多くなっています。一方で北海道では「クリガニ」というカニが漁獲されており、見た目が非常にそっくりなのでしばしば混同されているようです。

大人の握りこぶしほどの大きさで、左右対称の五角形に近い甲羅が特徴。春に産卵のために浅瀬に寄るので、この時期に盛んに漁獲されています。

味はだけならば毛ガニ以上?

トゲクリガニはケガニと比べるとやや小ぶりですが、濃厚なカニみそや卵、びっしり詰まった身など魅力がたっぷりのカニです。とくにミソは評価が高く、毛ガニより上という人も少なくありません。

太宰治も愛した『トゲクリガニ』は春が旬 味は本家「毛ガニ」をも凌ぐ?蒸しトゲクリガニ(提供:PhotoAC)

小さいので肉をほじり出すのは大変ですが、甲羅以外の殻は柔らかく、そのままかぶりついて食べることもできます。またとても良い出汁が出るので、2つに割って味噌汁にしても抜群です。

青森県出身の文豪・太宰治もトゲクリガニが大好物で、小説「津軽」の中にも登場するそう。安価で入手しやすいのも魅力ですが、北海道の毛ガニが不漁となっている影響で、ことしは例年よりやや高値で推移しているといいます。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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