多摩エリアの淡水小物釣りは、気軽に始められるのが魅力。今回は多摩川本流と武蔵野地区を流れる野川などの小河川に分けて、ポイントの探し方を考察していきます。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・菊池英則)
多摩川本流でのポイント選び
小物釣りで狙う、クチボソ、モツゴ、小鮒や小鯉と言った魚は、泳ぐ力が比較的弱く、川の流れの緩い場所を棲み家にしています。
流れの強い流芯で鯉が悠然と泳ぐ姿が見られる多摩川でも、小物は対照的に、流れの極力弱い場所に群れています。
「ワンド」は一級ポイント
砂利穴の跡や小川の合流点など本流からの水が溜まっている入り江のワンドは、間違いなく小魚の宝庫です。
こうした場所には、たいていヘラブナの釣り師が陣取っているので、初めて行く場合は参考になるでしょう。ヘラブナ釣り師が川に降りるための踏み跡をつけていることが多く、容易にポイントに降りることができます。
堰堤の上流のプール
多摩川には、いくつかの堰堤があり、その上流部は小さなダムのようなプールになっていて、さながら小魚のゆりかごです。このため、堰堤によっては釣り禁止エリアに指定されているので、注意が必要です。
下水の排水口
多摩川にいくつかある、下水処理場の排水口は、比較的水温が高いため、小魚の活性が下がる冬場には魚が集まる有望ポイントとなります。
水門・消波ブロック
水門や消波ブロックといった流れが比較的緩くなる場所も有望です。しかし、季節によっては、水量不足や水が澄んでいて魚影が見られないこともあります。
底固め用の穴開きブロック
川の洪水によるエグレ防止のため、川底に配置されているブロック。そのうち、平面型で穴が開いているタイプのものは、小魚が休むための、絶好の溜まり場となっています。
この穴開きブロック、多摩川本流にもたくさん設置されています。静かに近づいて、そっと隙間に仕掛けを沈めるのが、王道の釣り方と言えるでしょう。
中小河川のポイント選び
中小河川でも、小物釣りではやはり流れの緩い場所を選ぶのが鉄則です。堰堤の上流や、流れを仕切る岩場の上・下流のプールは、一級ポイントです。
岩影や草影
中小河川のプールでは、小魚の群れが泳ぐ姿を見かけますが、やみくもに群れに向かってエサを沈めても、見切ったようにスルーされるケースがほとんどで苦戦を余儀なくされます。比較的サイズの良いクチボソなどは、岩影やボサ(岸辺の草木)に潜んでエサを待っていることが多く、それらを取り巻くように、場合によってはピンポイントに直接、エサを送り込むことが釣れるかどうかのカギとなります。
以上のことから、河川の規模を問わず、小物狙いでは、流れの緩い場所、隠れるスペースがある場所を狙うことが鉄則となります。小物の群れが見えているからといって、エサを投入するだけではスルーされるため、キャッチが難しいのが現実。ポイントを選んで、隠れ家にエサを確実に送り込むテクニックが要求されます。
<菊池英則/TSURINEWS・WEBライター>
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