冬の相模湾で一番人気のターゲットともいえるアマダイ。見た目も美しく、食べても美味な高級魚です。今回は釣り方の基本と釣果を伸ばすコツについて解説します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)
アマダイの生態
アマダイは水深30m~200mの砂泥底の海底に生息します。生息水深はいわゆるアマダイ=アカアマダイは40m~150mと広く、キアマダイは150m~300mと深めで、シロアマダイは30m~80mと浅めになります。
砂泥底の海底に巣穴をほって集団で生活する習性があり、縄張り意識も強く、他の魚が来ると、体当たりをして追い出す攻撃的な一面もあります。
産卵は9月から12月。水深70m~100mの海底で行います。この産卵が終わると体力回復の為、積極的にエサを捕食する、アマダイの釣りの時期になるのです。
相模湾アマダイの仕掛け
仕掛けは天秤2本針、全長は2~2.5m。ハリスは一般的には3号とされますが、デカアマダイを狙うなら4号ハリスが良いです。良型のアマダイの引き込みは強烈で、ドラグ調整を含め、強引なやりとりを行うと細いハリスでは切れやすいのです。
また様々な外道が掛かってくるので、ハリスが細いと傷が付きやすく、いざ本命が掛かった時にハリス切れでバラしてしまうことの予防も含めてです。天秤は軟らかい(フレッキシブル)タイプよりは通常タイプでしっかりアームが固定されているものが良いでしょう。その時その時の潮や海底地形に応じ、正確にタナをとる必要があるからです。天秤は大き過ぎず小さ過ぎない中型が、絡み予防と正確なタナとりに有効です。
また、枝スは金属親子サルカンで接続します。単純に絡まない理由だけで無く、砂地の海底の巣穴に居るアマダイの目の前にエサを位置させるには、潮の流れで仕掛けが浮きあがってはいけないからです。ただ重すぎるのも良くなく4×5または5×6号が基本です。
アマダイ釣りのエサ&針
エサはオキアミの一匹掛けが基本です。尻尾を切り取り、そこから針先をオキアミ本体に沿って通し、頭と胴の間から針先を出し、オキアミが真っ直ぐなるように付けます。冬は手指が凍てつきますが、眼のとれていない、出来るだけ形の良いオキアミを丁寧に付けられるか否かが必ず釣果に現れます。
デカアマダイにはやはり大きなエサでのアピールが有効です。いい加減な付け方をしたり。曲がって付けると、途中で外れたり、海中でくるくる回り、アマダイは食い付いてきません。またハリスヨレの原因にもなります。
針はオキアミを真っ直ぐ付け安定させる観点から丸海津針が好まれます。ただ強度が優れるチヌ針をチョイスする人もいます。丸海津なら12~13号、チヌ針なら3~4号が適します。ただ最近は丸海津を太軸にしたアマダイ専用針が発売され、私はそれを用いています。なお相模湾の流行色はケイムラピンクです。
ハリスに通すビーズは無しか、つけても1~2号の小さなものがお勧めです。大きいと仕掛けが浮き上がり、アタリが出にくくなる傾向があります。また蛍光色はアピールが強く外道が掛かりやすくなります。
相模湾アマダイのタックル
次にタックルについて解説します。
錘の号数
この釣りは水深100m前後を狙うことが多く、昔は使用錘も100号程度でした。今は道糸も細くなりPEライン2号なら40~60号錘といったライトタックルでも釣りができる船宿もあり、そのことが女性や初心者にもこの釣りの間口が拡がった要因ではあります。
ただいたずらに錘を軽くすると糸フケも出やすく、底もとりにくくなります。ライトタックルで出来る船宿であっても、道糸が4号であれば80号錘を指定するところがほとんどです。
道糸
道糸が2号だと他者と絡んだときに傷が付きやすく高切れの原因にもなります。道糸は3~4号、使用錘は80号が潮の速い状況でも底がとれ、トラブルも少なく基本に則った良い釣りができると考えています。
ロッド
それに準じ、ロッドは80号を背負ったときでもちゃんとサオ先感度が良い2m前後で調子は8:2から7:3、操作性の良いことに加え、大物が掛かったときの粘りもあるものが要求されます。各社から販売されているアマダイ専用ロッドなら申し分無いでしょう。
リール
リールは3~4号PEラインが300mは巻ける電動リールが必要です。ダイワなら200~300番。手巻きでも出来ますが、水深があるため、手返しが悪くなります。
相模湾アマダイの釣り方
錘が着底したら糸フケをとり、底からハリスの半分長巻き上げます。ハリスが2mなら1mです。仕掛けが潮に馴染んだら、道糸のマーカーを観てサオ操作やリール操作で、その位置から更に1m上げてアタリをとり、アタリがなければ元のタナに戻します。それでもアタリがなければ錘を再度着底させ、先述の動作を繰り返すのが基本です。多くの教科書にもそう書かれています。
仕掛けは動かしすぎない
ただこのような船上での操作に気を奪われがちですが、実際大切なことは、海底付近で、エサのオキアミがアマダイの目の前に位置する回数や時間をできるだけ多くすることです。ベテランでも陥りやすいアマダイ釣りのピットフォールは、誘いを意識して仕掛けを動かしすぎ、エサが底近くに無い状態を作ってしまうことです。
アタリが出ない時は
先の基本的な操作でアタリが出ないときは、錘着底後のタナ取りの高さだけしっかり見定めることをお勧めします。自分もそうしています。たとえば1m巻き上げていたものを80cmにしたり50cmにしたり、逆に1、2mと高くしてみたりです。
外道でタナを把握
自分のタナとりがその地形、潮の流れに合っていれば、アマダイがいれば釣れるのですが、そうそう上手くはいかないことも多いです。その時に参考にするのが、その都度釣れてくる外道の魚です。
ムシガレイやトラギスが掛かってくるときはタナが低くなっています。キダイが釣れるときはタナが高くなっています。アマダイと生息環境が類似するアカボラ(ひめこだい)が釣れる時は、ほぼタナは合っています。実は定期的に底をとり、タナを正確に取り直していれば、ちゃんとした誘いになっているはずのです。
置きサオにして、細かくタナを探り、アタリタナを正確にキープする方が、下手な誘いで仕掛けを動かしすぎるより良い印象があるのです。
ただサオを手持ちにするメリットは小さなアタリを目感度だけでなく手感度でも見逃さず感じ取れることです。これはアマダイではなくエサ取り立ちのアタリです。置きサオにしているとエサ取りにエサが盗られていたり、小さなエサ取りが針に掛かっていても気が付けず、そのままアマダイが掛かるはずのない状態で仕掛けを入れ続け、時間をロスしてしまうからです。アマダイ釣りは、外道のアタリもしっかりとり、それを釣り上げ、その情報から状況にあったタナ取りを行う釣りなのです。
また潮が速くタナを低くとっても仕掛けが浮き上がり魚信が出にくい時はBや2B位のガン玉を先針から30cmくらいのところか親子サルカン付近に取り付けるの手です。ただあまり大きなウエートを加えるとエサの動きが不自然になります。
釣果を伸ばすコツ
アマダイは群れて生息する傾向があります。他の人にアタリが出ているポイントでは自分にもチャンスがあります。その時は集中してしっかりエサの付いている仕掛けを上ずることなく海底付近に位置させることが重要です。動かしすぎず、丁寧にタナを取ることを優先すると良い結果がでることが多いです。
それと新しいポイントの一投目はヒットする確率が高いです。投入に手こずったり、エサの付け方が悪いとチャンスを逃します。集中しましょう。エサはオキアミ一匹掛けが基本ですが抱き合わせや房掛けでアピールを高めることも効果が出る場合があります。
アタリ~やりとり
アタリの出方は小さな場合もいきなり引き込む場合もあり様々ですが、糸フケがとれた段階で、必ずサオ先は引き込まれます。特に良型の場合は、これがアマダイ?!と驚くほど強い引き込みを披露します。ですからドラグは緩めが基本です。
いきなり電動で素早く巻き上げるとハリス切れにつながります。慌てず数mはサオ先を固定しながら手巻きで上げます。その後引き込みが落ちついたら電動リールの中速で巻き上げます。
巻き上げ最中も、特に良型は間欠的に強い引き込みを見せます。必ずサオは手持ちに船の揺れを緩衝しつつ一定のラインテンションを心がけ巻き上げて行きます。大きなアマダイは貴重ですから、必ずタモで掬って取り込みましょう。
アマダイ料理
お刺身は勿論、ウロコを付けた状態で揚げる「ウロコ揚げ」は松笠揚げや若狭揚げと呼ばれ、アマダイの代表的な料理です。
焼きものも美味しく上品な味です。
<近藤惣一郎/TSURINEWS・WEBライター>
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