岐阜県の水族館で、なんとデンキウナギの放電で点灯するクリスマスツリーが登場。他にも様々な発電魚がいますが、はたしてその味はどうなのでしょうか?
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
デンキウナギでクリスマスツリー点灯
岐阜県各務原市にある水族館「アクア・トトぎふ」。淡水魚専門の水族館としては世界最大級で、世界中の河川・湖沼に棲息する魚たちを見学することができる人気のスポットです。
先日ここに、面白いクリスマスイルミネーションが登場しました。見た目は普通のクリスマスツリーなのですが、ツリーの根本から伸びる動線がつながっているのは、なんとコンセントではなくデンキウナギの水槽。
デンキウナギの放電に反応して、ツリーにつけられたイルミネーションが点滅する、という仕掛けになっているのです。
クリスマスの気分を味わいつつ、デンキウナギという不思議な魚の生態も知ることのできる面白い試みとなっています。(『デンキウナギでツリー点灯 アクア・トトぎふ』岐阜新聞 2020.12.15)
デンキウナギの特徴
デンキウナギは日本には棲息しておらず、南アメリカのアマゾン川などに分布しています。「ウナギ」という名前がついているものの、分類学上はウナギの仲間ではありません。体長は1~1.5mほどと日本のウナギよりやや大きく、主に生きた小魚を食べます。
デンキウナギのユニークな特徴として「内臓が体の前方に集中し、顔のすぐ近くに肛門がある」というものがあります。体長の8割は尾と呼ぶべきもので、その筋肉で発電することができます。
デンキウナギは視力が退化しており、10~20ボルトの微弱な電流を出して潜水艦のソナーのように用いながらエサを探します。エサになりそうな小魚が見つかると、魚類界では最強とも言われる800ボルトもの高電圧を発生させ、感電させて捕食します。それだけ強い電気を発生しながらも、自分の体は厚い脂肪に覆われているために、感電死することはありません。
デンキウナギの味
このデンキウナギですが、果たして食用可能なのでしょうか。
まず原産地では「危険な魚」という認識で食用にされることはないようです。実際に食べてみたライターの話では「体の大半を脂肪が占めており、加熱すると豚の脂身を延々食べさせられているようで、あまり美味しくはない」とのことでした。
発電魚「シビレエイ」の味
一方で、日本に棲息する発電魚に「シビレエイ」というものがいます。沿岸の浅い海に棲息し、デンキウナギには及ばないものの50ボルトもの電圧を発生させる事が可能です。
こちらは筆者も食したことがあるのですが、やはり全身に脂肪を蓄えており、ああまり美味ではありませんでした。肉自体は「やや水っぽいエイ」という印象。
発電魚はどうしても絶縁ガードとしての脂肪を蓄えないといけないため、身自体の味はあまり美味しくならないのかもしれませんね。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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