釣りに『偏光サングラス』が必要な理由 ギラ付き防止だけじゃない?

今や釣りには必携ともなっている偏光サングラス。水中に漂うウキの確認や日中のサイトフィッシングでは水中を見やすくすることで釣りの幅が広がる。今回はそんな偏光グラスの有効利用法を紹介したい。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)

釣りに『偏光サングラス』が必要な理由 ギラ付き防止だけじゃない?

偏光サングラスとは

偏光サングラスに使われている偏光レンズの主流といえば、UVカットレンズ2枚で偏光フィルムを挟んだ構造。UVカットレンズは紫外線をシャットアウトするレンズ。

偏光フィルムは簡単にいうと、乱反射により大量にあちこちから入ってくる光を押さえてくれる膜のこと。この組み合わせで紫外線や乱反射する雑多な光を遮るレンズだ。

偏光サングラスの色

釣り具ショップなどの店頭には数多くの偏光レンズが並んでいるが、形状の違い以外では色合いや色の濃さなどの違いがある。色合いについては、実は個人によって見やすい色とそうでない色があり、本来は実際に使用してみてしっくりとくる色を選びたい。ほんの少しの違いでもかなり見やすさがかわってくるのでぜひ、試していただきたい。

色の濃さについてはもちろん、濃いほど光が入ってくる量が少なくなる。ちなみに人の目で見える波長の光のことを可視光線というが、可視光線をカットする割合のことを可視光線透過率という。透過率が低くなるほど色が濃くなり、透過率が「0」となると、真っ黒で全く光を通さないレンズということになる。

この数値が低いほどレンズの色が濃くなり、曇り空など光の量が元々少ない場面では見にくくなる。その辺りを考慮すると、真夏の炎天下で使用するレンズと、曇り空や朝、夕マズメに使用するレンズなど数種類を持っておくのが理想だ。

偏光サングラスのタイプ

偏光グラスを使ってみようと思い立った時、その人によって使用する偏光グラスのタイプを考えないといけない。通常、度入りのメガネを掛けて生活している人もいれば、裸眼、あるいはコンタクトレンズを使用して生活している人も居る。そんな生活スタイルに合わせた偏光レンズが必要だ。

度なしメガネタイプ

通常、目が良くて裸眼で生活するのに支障がない人や、釣りの最中もコンタクトレンズを使用して、度入りのメガネなどは使用しない人なら度なしメガネタイプの偏光グラスで良いだろう。一般的に数多くのデザインのフレームや偏光レンズのカラーが用意されているので、自分のお好みのタイプを探しやすく、比較的安価に入手できる。

最近はコンタクトレンズの価格低下も助けとなり、普段度入りメガネを掛けている人でも、釣りの時はワンデイタイプのコンタクトレンズと度なし偏光グラスのセットの人もいる。

フレームとレンズがセットで価格統一されたメガネ店などでも最近は、偏光レンズ使用タイプでもプラス1000円程度で購入することができる。

度入りメガネタイプ

度入りのメガネタイプも実は数種類あって、難しい内容はここでは省略するが、簡単にいうと、度入りのレンズと偏光フィルムの組み合わせの仕方の違いである。それは重ねるレンズ(フィルム)の層の違いであったり、挟むのではなく偏光フィルムを貼り付けたタイプなどもあり、かなり価格帯も幅広い。

それぞれ、長所、短所があるので特に度入りの偏光グラスを購入する際は専門店に行って、しっかりと商品についての特徴などを聞いた方が良い。ちなみに筆者はタレックスレンズで度入り偏光グラスを作ってもらったが、フレームとセットで7万円近くした。が、作ってからすでに15年ほど使用しているが、まったく衰えることなく使用できている。高価なレンズはそれなりに長持ちもするものだ。

クリップオンタイプ

これは通常、メガネを掛けている人用の偏光レンズといえる。偏光レンズがクリップでメガネに取り付けられるようにできていて、不要な時には偏光レンズを上げておくこともできる。通常使っているメガネをそのまま使用でき、偏光レンズ自体も安価なものが多いので、たまに釣りに出かける程度なら、クリップオンタイプで十分だろう。

釣りに『偏光サングラス』が必要な理由 ギラ付き防止だけじゃない?クリップオンタイプの偏光レンズ(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ただし、メガネと偏光レンズの間にどうしても、少しの隙間ができるため、2枚のレンズを通して見ることで、レンズに反射したものなどが写り込んでしまって見づらくなることもある。

釣りに『偏光サングラス』が必要な理由 ギラ付き防止だけじゃない?不要な時は上げておける(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

オーバーグラスタイプ

こちらも普段、メガネを使用している人向けの偏光グラス。メガネの上からかけるオーバーグラス(下のメガネ自体を覆ってしまうスタイル)で、偏光レンズを使用している。形状やカラーなどがあまり多くないのと、どうしても大きなメガネをかけることになるのが難点。下に掛けているメガネの方が大きいと、その上から掛けることができないので注意。

釣りに『偏光サングラス』が必要な理由 ギラ付き防止だけじゃない?すっぽり収まる組み合わせで(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

その他にも、小さな度入りレンズと偏光レンズの2枚があらかじめセットされているメガネもあるが、スポーツ用のサングラスタイプが多く、偏光レンズを使用したものはあまり種類がない。

偏光レンズのメリット

夏の釣りはもちろん、四季を通じて釣行の際は偏光レンズの使用をオススメする。その理由はいくつかあるので紹介したい。

水面のギラ付きを押さえる

釣りをしていると、光の侵入は一定方向からの太陽光だけにはとどまらない。水面や地面からの光の乱反射も無数にあり、それらの乱れ飛び、目に飛び込んでくる光を透過させないのが偏光グラスの役目である。

釣りに『偏光サングラス』が必要な理由 ギラ付き防止だけじゃない?通常のカメラレンズで撮影(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

その機能が水面のギラ付きを押さえ、水中をよく見えるようにしてくれるのだが、乱れ飛ぶ光は目にはあまりよくないこともあり、水辺での偏光グラス使用は四季を通じてかなりオススメだ。

釣りに『偏光サングラス』が必要な理由 ギラ付き防止だけじゃない?偏光レンズを通して撮影(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

目の物理的保護

物理的に目を保護する観点から、メガネを掛けるメリットもある。ハリやオモリ、しぶき、砂など、釣りをしている最中にはいろいろな物が目に飛び込んでくる危険性がある。そんな危険から目を守るため偏光グラスを掛けるということだ。

紫外線から目を守る

偏光グラスの大きな特徴の一つが、紫外線のカット(UVカット)だ。カット率はレンズごとに数値化されていて、安価な偏光レンズでも99%カットなど、かなり紫外線のカット率が高い。

実は目から紫外線が入ると、「肌同様、目が日焼けする」ことや「目の中に蓄積されることで慢性的な目の障害を引き起こす」とされている。なので、露出する肌には日焼け止めを塗るように、目は偏光グラスやサングラスなどで守るというのが必要だ。

また、慢性的な障害だけなく、一日の釣りを終えた後だけでも、紫外線カットレンズを使用しておれば、かなり目は楽だ。帰りの車の運転もかなり視界はよく、事故防止にもつながるハズ。

偏光機能のないサングラスでもUVカットの役目などは果たしてくれるが、こと釣りとなれば、総合的に判断して、偏光グラスの使用をオススメする。

ここまで偏光グラスの役目やタイプなどを紹介してきたが、釣りに出かける際には、どんなものでも良いので、目を守る観点からも、まずは偏光グラスを一つ、持って出かけよう。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>



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