寒ブリという呼び名があるように、ブリはこれからの寒い季節に脂が乗り美味しくなる魚です。
そろそろ木枯らしが吹く季節になります。
家族や仲間と食卓を囲んで「ブリしゃぶ」などいかがですか?
鍋料理は、美味しいだけでなく体の芯まで温まって、寒い季節には欠かせないですよね!
今回は、そんな冬の鍋料理の代表、ブリの魅力にとことん迫りたいと思います!
目次
- ブリはどこからやってくる?
- ネームバリューを持ったブランド魚
- 成長と共に呼び名が変わる出世魚
- 名産品を食べて育ったブリたち
ブリはどこからやってくる?
ブリは関西では古くから祝い事に欠かせない食材の1つで、年越し魚としてもおなじみです。
そんなブリはどこからやってくるのでしょうか?
日本近海に棲息するアジ科ブリ属の魚と言えば、ブリ、ヒラマサ、カンパチ、ヒレナガカンパチの4種類が代表的です。
ただ、ヒラマサやカンパチなどは世界の海に広く分布しているのに、ブリだけは日本近海にしかいない魚なんです。
日本近海のブリは、東シナ海のやや深い海で生まれ、黒潮に乗って太平洋岸を北上するものと、対馬暖流に乗って日本海を北上する群れとに分かれます。
稚魚の間は、流れ藻によく付くのでモジャコと呼ばれますが、養殖物のハマチは、このモジャコを捕って育てたものです。
養殖場の風景
ブリは、「一潮(約15日)一寸」と言われるほど成長が早く、天然物でも2年で約50cm、5年で80cmぐらいに成長すると言われています。
寿命は7、8年ほどと言われており、ここまで生き延びると全長は1mを超え、重さも10kg以上になるそうです。
旬は、初冬から翌年の春にかけての寒い時期です。
良質なタンパク質が豊富な魚で、脳を活性化させるDHAや、血栓などを防ぐ働きをするEPAが多く含まれているそうです。
ネームバリューを持ったブランド魚
日本海では、春になると北上し、秋に南下するという回遊を何度か繰り返しながら成長します。
北海道の近くまで北上した群れが秋になって南下を始め、佐渡から能登半島の沖にさしかかるのが、初冬から真冬にかけてのシーズンです。
この時期のブリは、体にたっぷりと脂が乗り、最も美味しい季節を迎えるので、「佐渡ブリ」や「能登ブリ」と呼ばれて、高値で取引されます。
また、このブリの群れの一部が富山湾にも入り、氷見周辺で大量に水揚げされたものが「氷見ブリ」と呼ばれるブランド魚になるのです。
師走を迎えた富山湾では、雷をともなった冬の嵐がよく起きます。
これを地元では、ブリ起こしと呼んでおり、本格的なブリ漁の始まりを告げる現象の1つと言われています。
成長と共に呼び名が変わる出世魚
ブリの呼び名にはいろんな語源があります。
一説には、脂が多い魚という意味でアブラと呼ばれたものから、アが抜けて、さらにブラからブリに転化して、ブリと呼ばれるようになったのでは、と言われています。
成長するにつれて呼び名が変わる出世魚として知られています。
35cm以下を関東ではワカシ、関西ではツバスと呼びます。
さらに、35~60cmのものは、関東ではイナダ、関西ではハマチ、60~80cmを関東ではワラサ、関西ではメジロ、80cm以上をどちらもブリと呼びます。
ところが、ハマチ養殖発祥の地、瀬戸内海ではさらに細分化された呼び名が残っており、モジャコと呼ばれる稚魚から始まり、ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリと変わるそうです。
ただし、養殖物は大きさに関係なくすべてハマチと呼ばれており、最近では各地でブランド物のブリやハマチが登場していますね。
名産品を食べて育ったブリたち
徳島県では、名産のスダチの皮を混ぜた飼料を使い、育てたものをスダチブリと呼びます。
また、香川県では特産のオリーブの葉の粉末を飼料に混ぜたオリーブハマチ、さらに大分県では、カボスを飼料に混ぜたカボスブリが誕生しています。
そのうち、高級果物が飼料となって育ったメロンブリやマンゴーブリなんかも登場するかも知れませんね!
西日本の太平洋岸で獲れるブリは、日本海ほど水温が下がらないせいか脂の乗りが控えめであっさりしたものが多いです。
一方、日本海側のブリは、水温やエサの影響か、冬になると身にたっぷり脂が乗って、一段と美味しくなります。
しっかり脂が乗ったブリは、刺身やしゃぶしゃぶ、照り焼きにブリ大根、竜田揚げなど多彩な料理がたくさん楽しめますよ。
釣り人の皆さんも、ぜひ寒ブリを狙って冬の味覚を味わってくださいね!
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