渓流エサ釣りの「難しい」ところ 【環境・道具の選択・釣り場での対応】

一口に「釣り」と言っても、実に多種多様な魚種・釣り方がある。そんな釣りの面白さ・奥深さの一つに「難しさ」が挙げられると著者は考えている。簡単に釣れた方が良いかと思いきや、難しいから面白い……。今回は、そんな釣りの魅力の一つである「難しさ」にフォーカスし、渓流餌釣りにおいてどのようなことが「難しい」と感じるかを、渓流釣り歴約15年の著者の経験から深掘りしていきたい。そして、その解決策も紹介していこう。

【渓流釣りがゼロから分かる!『渓流釣り特集』を読む】

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

渓流エサ釣りの「難しい」ところ 【環境・道具の選択・釣り場での対応】

環境による難しさ

渓流餌釣りには多くの魅力があるが、その中の一つに「大自然に溶け込みながら渓魚と知恵比べをする」というものがある。それ故に感じる難しさを、一つずつ見ていこう。

川の状態を知る

雨が降ったら川は増水する、というのが一般的だが、上流にあるダムでせき止められていたり、元々が渇水状態の場合は雨が降っても水位はそのままだったりする。逆に、地元では晴天なのに渓流は大増水、最悪の場合は釣りが出来ない……なんてこともある。

渓流エサ釣りの「難しい」ところ 【環境・道具の選択・釣り場での対応】水位は大変重要(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

現地に行って川の状態を確認しないと分からないことも多いのだ。可能ならば現地に赴いて直接確認するか、河川ライブカメラなどの活用がオススメだ。

警戒心と川の透明度

渓魚は警戒心が大変高い上、透明度の高い渓流に潜んでいてこちらの姿は丸見えだ。とにかく警戒されないようにするのだが、これが意外と大変かもしれない。入渓は静かに行う、影を水面に落とさない、極力音を立てない……といったことを心がけよう。

渓流エサ釣りの「難しい」ところ 【環境・道具の選択・釣り場での対応】渓流の水は透明度が高い(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

先行者

現地に朝早くから入っているのに、何も釣れない。そんな時は、先行者の後塵を拝しているかもしれない。判断材料は先行者の足跡と魚の食い気ぐらいしかないので、別のポイントへ移動するかどうかは長年のカンによるところが大きく、最初のうちは大変難しいものだ。足跡が見つからず、かつ食いが悪いと感じるならば、速やかに移動する方が無難だろう。

渓流エサ釣りの「難しい」ところ 【環境・道具の選択・釣り場での対応】足跡は大事な判断材料(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

遡行

動きづらいウェーダーを着用して河原・川の中を歩くには、ある程度慣れが必要だ。「この先に行けるかどうか」という判断方法だが、実はすごくシンプル。「自分が安全に、かつ確実にいけると感じるかどうか」だ。少しでも不安なら引き返す方が良いだろう。また、入渓だけでなく、「この先できちんと退渓出来るか」も考えた上で遡行すること。絶対に無理はしないというのが重要だ。

道具のチョイス

続いて、道具のチョイスについてみていこう。

竿の調子と長さ

竿には「調子」と呼ばれる、柔らかさ(竿の曲がり具合・曲がり方)を表した言葉がある。一般的な竿の場合、「胴調子/先調子」という呼び方が定着しており、「5:5調子」のような割合で表記する場合も多いが、渓流竿の場合は「硬調」「軟調」といった呼び方になる。

ここに、メーカーごとの独自表記も加わるので、いきなり理解するのは中々に難しい。迷った時は、「7:3」程度の調子になる「硬調」をチョイスしておくと一先ず失敗はないだろう。長さは自身が確実に扱えると思う物を選びたい所だが、川の幅や頭上の障害物の有無によって選ぶと失敗が少ない。

渓流エサ釣りの「難しい」ところ 【環境・道具の選択・釣り場での対応】竿は調子と長さで選ぶ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

最後に値段だが、高くなればなるほど軽くて扱いやすくなる上、竿のパワーや性能が大幅にアップする。この辺りは予算と相談だ。

糸の太さ

渓流餌釣りは、シンプルな道具立てに極細糸という組み合わせで渓魚と対峙する。海釣りに比べるとあまりに細すぎて、最初のうちはどれくらいの細さを使用すればいいのかわからない可能性大だ。よく釣れるサイズが20cm未満なら0.2号、25cmまでメインなら0.3号、28cmくらいまでを狙うなら0.4号が一つの目安となるだろう。

尺サイズが出るような場所なら0.5号~0.8号を視野に入れ、雨で増水している場合は+0.1~0.2号としておけばほぼ大丈夫だ。心配であればワンランク太めにしても良いだろう。

オモリチョイス

渓流餌釣りのオモリはガン玉を使用するが、時にG5のような極小サイズを使うこともある。長い延べ竿を使用するため、こちらの扱いは慣れるまで大変難しい。最初のうちはある程度重めのG2~2B程度が扱いやすくオススメだ。慣れてきたら、状況に応じて使い分けるようにしたい。

ハリチョイス

渓流餌釣り用のハリは実に多種多様な物があり、どれを選ぶべきか迷うかもしれない。まずはメーカーや形状、色よりも、使用する餌のサイズに合ったハリをチョイスすると都合がいい。イクラやヒラタなら小さめ、クロカワムシやミミズならやや大きめといった具合だ。もしくは、当TSURINEWSの釣行記事にて紹介されているハリをそのまま真似てみても良いだろう。

釣り場での難しさ

最後に、現地で感じる難しさにフォーカスしてみよう。

餌のチョイス

イクラやミミズ、ブドウムシといった釣具店で購入できる物の他、現地で川虫を調達することも多いのが渓流餌釣り。バリエーションが豊富な分、どの餌を使用すれば良いか迷うことも多いかもしれない。

これは季節によって使い分けるのが正解だが、解禁直後はイクラ、春以降はミミズ・ブドウムシでもある程度の釣果は得られる。川虫を使用する場合は、それぞれの時期や採集方法を知っておこう。

着き場が分からない

撒き餌で寄せるということがない渓流釣りは、自分がポイントへ直接赴く釣りだ。魚の着き場を把握するのが、最初は大変難しく感じるかもしれない。前提として、川の様子が分かる偏光グラス着用はマストと言える。

その上で、岩の裏やヨレ、川底のエグレ、巻き返し、落ち込み横のヨレといった「流れに変化のある場所」を攻めるのが良いだろう。

流し方

渓流釣りで、「最も難しい」と言われているのが仕掛けの流し方。餌をある程度流れに馴染ませ、「底流れ」と呼ばれる底付近の流れに仕掛けを入れるのが、渓流釣りにおける最難関と言っても過言ではないだろう。

渓流エサ釣りの「難しい」ところ 【環境・道具の選択・釣り場での対応】投入点を決めてから始めよう(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

手順だが、まずは流れがほぼない場所へ仕掛けを投入し、底近くまで沈めて仕掛けを馴染ませる。その後、浮き上がらないように注意しつつ、ゆっくりと仕掛けを流れに引き入れる。すると仕掛けが流れに引っ張られていくので、その速さに合わせるように、竿を下流側へとずらしていくのが基本だ。

底流れに入っているかどうかの見極めは、仕掛けが水面の泡よりもややゆっくり流れているかどうかで判断してほしい。

アワセ

渓魚は餌を食ってから吐き出すまでが大変素早く、一説によると0.1秒とも言われている。そのため、目印から視線を外すことなく集中しておき、目印に違和感があれば、素早く手首を返すようにしてアワセを入れる……というのを練習する他ない。名手の動画で研究するのも良いだろう。

渓流エサ釣りの「難しい」ところ 【環境・道具の選択・釣り場での対応】ガッチリ掛けないとバレる可能性大(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

対策が出来れば難しさ軽減!

どの釣りもそうだとは思うが、最初のうちは中々良い釣果に恵まれず、本当にこの釣り方・場所で合っているのか……と、疑り深くなってしまうもの。ちょっと勉強してすぐに成果が出たならば、その釣りに向いていたということもあるかもしれない。

難しく感じるのには必ず原因と対策が存在するので、諦めることなく、より良い釣果を目指して頑張ってみてほしい。

<荻野祐樹/TSURINEWSライター>



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